[携帯モード] [URL送信]
君への






けれどそんなことをすれば、彼は僕を死ぬまで離さないだろう。

(そんなこと赦されないんだよ慶次くん。)

そう思ったらふいに目頭がじわりと湿って、目の奥がツンとする。

「…っ、ふ、ぁ…、け、いじくん…、っ」

彼に声が聞こえないよう、布団に潜り込んで、声を殺して泣いた。
拭っても拭っても涙は止めどなく溢れてくる。

起きてほしくないのに起きてほしい

その矛盾にすら胸をしめつけられた。

「…ふ、ぅ…ッ、げほっ、…かは…、っ」

ふいに喉咽が詰まって、咳が出た。
一度始まるとなかなか止まらないそれは暫く続いて。

(あぁ、これじゃ彼が起きてしまう)

だから僕はそーっと、そーっと、彼の腕の中からすりぬけた。

(…最後に一つだけ我が侭を、)

神に請うように胸中で呟いて、そっと枕に片手をついて彼の顔を手探りで探す。
指先に触れたぬくもりに手を這わすと、丁度そこは頬だった。
指先で彼の柔らかい唇を探しだし、
自分のそれを近づけて、くっつけた












I hope we can get together next life !

「僕は君を愛しているよ。…またいつか逢おうね、慶次くん。」
頬を伝う水と、垂れ下がる眉に気づきながらも、それでも笑顔で言って。僕は手探りで部屋から抜け出した。




next

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!