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東方機神録
白銀の少女と次元の狭間
〜敵基地最深部 D-666室〜

「此処は?」

白銀は二十機の機兵を連れ、基地の最深部へ来ていた。

其処は大型の扉があり、その側には【D-666】と書かれていた。

特殊な解除コードが要るらしく扉のロックは開きそうにない。

「仕方ない、此処だけ見ないという訳にもいけないしな・・・・・・・No.330と674こいつを破壊しろ」

そう言うと二機の機兵の腕が変形し20mmのガトリング砲が現れ、扉に向かい斉射し始めた。

ガガガガガガガガガガガガガガッッッッッッッッッッッッーー

扉は無惨に穴が開いてボロボロと崩れ落ちた。其の部屋の中は薄暗く少し空気が重かった。

そして、其の中には大きな球体上の物体が壁から出ている幾多もの配線と繋がっていた。

「此れは?」

白銀は少し警戒しながら其れに触れた。そうすると横に控え警戒していた機兵が言った。

機兵『白銀中尉、其レカラ次元火薬因子ノ反応ガアリマス』

「次元火薬因子だと・・・・・・・まさか!?」

ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・

突然、其れからタイマー音が鳴りだし、1:00と書かれたタイマーが出現した。

「ッ!?ーーーーー間違いない!『多次元融解爆発』だ!!」

白銀は機兵を連れ、一斉に部屋から飛び出し、ホールをスラスターを使いながら飛び上がった。機兵達も其れにつられ、一斉に飛び上がる。

そして、白銀は飛び上がっりながら即座に作戦指揮管制官へ通信を入れた。

「白銀より作戦指揮管制官へ!!敵基地最深部にて多次元融解爆発を発見した!!周囲に展開している部隊を全部下がらせろ!!もう一分もない!!!」

白銀は管制官の返事を待たず、黒鉄と黄金の回線に緊急コールを入れた。

黒鉄『どうした!!白銀!!』

黄金『何かあったんですか!!』

「黒鉄!!黄金!!早く下がれ!!多次元融解爆発が起動してた!!もう一分もない!!早くしないとお前らまで被害を喰らっちまう!!」

黒鉄『おい!そりゃぁマジかよ!?わかった!!直ぐ此方の部下は全部下がらせる!!』

黄金『わかりました!此方も直ぐに退避させます!』

すると突然、目の前のホールの隔壁が閉じ始めた。

「なっ!!?ーーーーーそう言うことか!?」

部下に命じ、再びガトリング砲撃で破壊させようとしたが、扉はびくともしない。

黒鉄『おい!どうしたんだ!白銀!!もう時間無ぇんだろ!!早く脱出しろ!!!!』

黄金『白銀さん!!早く!!!!』

「・・・・奴等、俺だけでも道ずれにしようってんのか」

そして、足元から小さな破裂音がして、黒い光が迫ってきた。

「くそっ・・・・・・・・ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

白銀達は黒い光に包まれた。


〜戦場 敵基地より10km地点〜

白銀との通信が途絶えた途端、敵基地から黒い光が溢れだし、基地を包み込んだ。

黒鉄「っーーーーーーー白銀ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

黄金「白銀さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」

二人の叫びは白銀には届かなかった。


〜次元境界 境界線上〜

「ーーーーーーーーーー」

「ーーーーーっーーーー」

目を覚ますと其処は歪な空間だった。そして周囲には自分の連れていた機兵の残骸が浮かんでいた。

「そうか・・・俺は・・・多次元融解爆発を喰らって」

そう言って白銀は自身の身体の状況の確認をした。

白銀 現在状況
装備 頭部ヘルメット半壊
   強化骨格アーマー左腕並びに右肩、両膝破損。
   身体能力68%低下 生命維持装置破損、機能不全
身体状況 出血なし、内臓並びに脳共に異常なし
現在状況 次元境界線上、有毒物質多数確認
     酸素あり、ただし少量
結果 残り生存時間三分、状況の打開策なし 生還確率0.0000000000001%

ハッキリ言って状況は絶望的だった。

「・・・・・・・このまま死ぬのか・・・・・・・・・・・・」

言い表せぬ虚しさが身体を駆け回った。死ぬという恐怖よりも虚しさの方が勝っていた。

?「あなた、だれ?」

死を待つ俺の耳に其の声はハッキリと聞こえた。

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