東方機神録
心無き捨て駒(みや様とのクロス・後日談)
「……………………っは………」
赤黒く濡れた大地に、彼の物は横たわっている。
「………任務…………失……敗………………最終…手……段…………多次元…融解爆弾…………起動………せず………」
彼の物は『白銀 響』と呼ばれていた物だった。
だが、先の一件で出会ったあの人物の事で、どうも上手く仕事が回らなくなっていた。
「…………心のある……俺………か」
確かにアイツはそう言っていた。
「………………佐久間…………鉄……………」
ドドドッと地響きが起き、段々と敵の軍勢が見え始める。
(何だ?……この感覚は?…………)
もう終わる、そう思った時言い知れぬ何かが心の中で蠢く。
(そうか…………これが……後悔…か……………消える間際に気付かされるとはな…………)
?「生きたいか?」
不意に人の声がし、そちらを向くとフードを被った人がいる。
?「まだ、生きていたいか?」
顔こそ見えないが、その瞳から発せられる強い光に心が震える。
「………………俺は………………………」
俺は拳を握り締める。
「俺は……………………生きたい………………生きて……いたい…………」
すると、フードを被った人がフッと笑った様な気がした。
?「その言葉待っていたぞ、白銀 響」
すると、フワッとした浮遊感と共に、俺はゆっくりと落ちていく。
?「ようこそ、ハガネ・シリーズへ」
その言葉を最後に俺は意識を手放した。
?「これで新たなる物語の始まりを」
そう言って、男も姿を消した。
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