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まりもちーず
いつものこと(サンジside)

初めて出会ったときに俺の中に衝撃が走った。


緑のマリモみてぇなふざけた頭した野郎を見たとき、美しいナミさんにメロリンしていた俺が不覚にも一瞬ナミさんが見えなくなるくらいの衝撃を覚えた。


なんだ…コイツは…
レディ大好きの俺様には野郎を好きになる趣味はこれっぽっちも無ぇ。

だが、コイツを見るとなぜだか美しいレディに対するような…いや、それ以上の胸の高鳴りを感じる…

*****

紆余曲折あって俺は麦わらの海賊団でコックをしている。

もちろん、オールブルーを見つけるという俺とクソジジイの夢を叶えるため。
だが、実はあのマリモ頭が気になって仕方がなかったというのも大きな理由だ。

今、そのマリモ頭の為に塩おにぎりを作っているところだ。


鍛練後の汗をかいた上半身をあらわに、
「腹減った。なんか食わせてくれ。」
とキッチンに入って来た。

こいつの好物は大体把握している。
しょっぱいもの、辛いもの、甘くないもの、和風のもの、酒。
最近では俺の料理もここにはいるらしい。
それを聞いた瞬間心臓が跳ね上がるほどにドキドキした。
無愛想で、汗くさくて、寝汚い。
なんでこいつなんかを好きになったんだろう。

そう思いつつ出来た塩おにぎりを奴の前に置いた。

無言でモグモグと塩おにぎりを食べるゾロがなんだか小動物みたいで可愛いかった。

あぁ…そうか。
俺は普段息を飲むほどカッコイイくせにたまにこの無防備な姿を見せられるのに弱いのか。


そういうふうにゾロのことばかり考えていたらゾロが小さく「好きだ」と言った。
心臓が壊れるんじゃないかと思うくらい心拍数が跳ね上がった。

だがゾロの見つめる先には俺の握った塩おにぎり。
嬉しい気もするが、ちょっと残念。

愛情を込めて作ってるから美味いに決まっている。
そう言った。
"愛情を込めて"に若干力を入れて言ってみた。

まぁ…鈍感なコイツには分かりゃしないだろう。


「お前のことだ。」

そう言いながら、その猛禽類のように細く鋭い目で俺を見つめてきた。

「俺はお前が好きだ。」

普段ムカつくことしか言わねぇコイツの口からそんな言葉が出るもんだから、俺はなんのことだかわからなかった。

だが、分かった瞬間、顔から火が出たんじゃねぇかって本気で思った。そして気がついたら見えていたのは医務室の天井。
隣にはゾロがいる。
さっきのは夢だったのか?だが、俺の手を握るゾロの手はひどく優しい。

「コック、目が覚めたのか。大丈夫か?」
そういいながらも手を離そうとはしない。
それどころかさっきまで片手だったのに両手で俺の右手を包んでそのままゾロの額あたりに当てた。

…こいつ、こんな顔すんのかよ…
そう思ったらなんだかキュンとした。

「なんか欲しいものあるか?」

「…ゾロ」

「ん?なんだ?」

「ゾロ…俺、お前が好きなんだ。出会ったときからずっと。」

俺が恥ずかしいのを堪えて告白するとゾロがなんともいえない表情をして、
「もう無理だ。」

短く呟いて俺が告白を続ける唇をゾロが自分のそれで塞いできた。


*****


明け方、食糧庫には俺の自慢のカッコイイ恋人が隣で寝ている。
こんだけカッコイイんだ。誰に取られるかわかりゃしねぇ。
俺はゾロのたくましい腕を胸に抱き寄せた。

なんだかゾロはため息をついたようだけど、そんなことはしらねぇ。
俺はゾロがとにかく好きなんだ!


おわり。



あとがき


先程、ゾロ視点の馴れ初めを書いたので、サンジ視点のものを。

まさちかはサンジ大好き人間なのでサンジの方が長くなってしまいました(笑)

まぁ、相手を想い続けた期間が長いですから。サンジの方が。

そう思って御容赦下さい







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あきゅろす。
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