7 は… り…… 針谷アァァ〜 「キャァァァァ!!」 「………………!!」 顔を蛍光灯に照らされ歪んだ男の人が走ってくる。 泡をふいて倒れたハリーを掴んで、思いっきり出口に走った。 「……針谷針谷って聞こえたね。」 「…………おぅ」 「……さっ、さっすがオレ様。はばたき市きっての超有名人……」 「…うん。」 日の暮れ始めと共に、ハリーのテンションがどんどん下がっていく気がする。 家族連れやカップルはみんな出口に向かう時間。アレに乗りたいんだけど……やっぱり嫌がるかな? 「メリーゴーランド乗らない?」 「ああ…。オレ、パス。」 ああ、やっぱり。 「代わりにあそこで、ずぅ…っと張り付いてるヤツと一緒に乗れば?」 「えっ」 ハリーが指したそこには、疲れた表情を浮かべた瑛くんが立っていた。 [*前へ][次へ#] |