がっかり
なんなんだよ、あれ!
あー……クソッ!
落ち着け。
(ん?今の声は……)
新名くん!
嵐くん!
○○。
……ちっす。
二人でどこか行って来たの?
総合格闘技、観てきた。
柔道で、割りと有名だった
選手が出てたから。
そうなんだ。
新名くん、ずいぶん
怒ってるみたいだけど……
…………
その選手の負け方が
気に入らなくって
喚いてんだ、こいつは。
負け方?
キックで倒されて、
パンチ打ち込まれて。
柔道の技を一つも出せずに
レフェリーストップ。
あ〜……
わかってるよ、オレだって。
総合格闘技に出てる以上、
そういうのもアリってことは。
でもさ……
…………
おまえがあそこに立ったら、
どういう戦い方をする?
ボクサーの立場だったら。
オレだったら?
そりゃ……
寝技に持ち込まれたら
ヤバイんで、さっさとーー
!
そういうことだよな?
負けたくなけりゃ、相手より
上に行かなきゃダメだ。
体力も技も。
それが、あの選手は
出来てなかった。
それだけだ。
……押忍。
おまえは格闘のセンスがある。
ただ、精神が追いついてない。
今みたいに、いつでも
物事を客観的に
見られるようになれ。
それが出来るように
なるだけで、今より
もっと研ぎ澄まされた、
いい選手になれるはずだ。
おれが?
うん。強制はしねぇけどな。
……押忍。
(嵐くんにあんなこと
言われたら燃えちゃうね?
新名くん)
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