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下校

あー、終わった終わった!
帰ろうぜ〜。

戸締り、しっかりな。

はーい。

じゃ、行くか。

押忍!

今日も疲れた……
明日、起きられっかな、
オレ……

ふふ、そんなに?

そんなにです。
あんだけ練習して
ケロッとしてられる
嵐さんがおかしいんだって。

子どもの頃からやってる俺と
おまえが一緒のレベルだったら
おかしい。

ですよねー……
あーもーマジで歩きたくない。
ちょっと下で休んでこうぜ。
ね、嵐さん。

おまえらの時間が
大丈夫なら。

うん、わたしは平気。

じゃ、オレちょっと
ジュース買ってくる!
下で待ってて!

こういう時は
さっさか体動くんだな。

ふふっ、本当だね。

そうだ、オレ、ずっと
聞きたかったんだけど。
辞めたくなったこととかって
ないんスか?

ある。
特に初めの頃なんてずっと、
どうすれば逃げられるのか
考えてた気がする。

……オレと一緒じゃん。

自分の意思で柔道始めた
ワケじゃねーから。俺も。

そうなの!?

うん。

じゃあ……どうして
続ける気になったんスか?

楽しくなったんだ。

技が決まるようになって、
自分のイメージ通りに
体が動くようになって。

力をつければその分、
自分より強いと思ってたヤツを
吹っ飛ばせるようになる。

それに面白さを見出せない
男がいるか?

…………

……オレもいつか、嵐さんを
吹っ飛ばせるようになるかな?

カンタンだ。
今より強くなればいい。
俺を利用して強くなれ。

……押忍!

その分、俺はおまえより
上に行くけどな。

……させるかよ。

せいぜいがんばれ。

ん?ああ、
そろそろ行くか。

そッスね。風、ちょっと
冷たくなってきたし。

なあ。

うん?

オレ用の練習メニュー、
考えといてよ。追加で。

いいけど、今日みたいに
疲れたーなんて
言ってられなくなっちゃうよ?

うん、いい。
……じゃなきゃ、
追いつけねぇし。

ふふ、了解。

二人とも、行くぞ!

押忍!

はーい!


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