琉夏くんと紺野先輩
??? そうそう……
さすがカイチョー、わかってんね。
もう一回言って?
??? 何度でも。
つまり君はーー
(ん?あの声は……)
紺野先輩と琉夏くん。
○○さん。
あっ、○○ちゃん。
もしかして……
また琉夏くんが何か?
えぇ……
カイチョー、ほら、
言ってやってさっきの。
?
いいよ?
今、琉夏君の暮らしぶりの話を聞いてたんだ。
本当に立派だと思うよ。
働いて、自活して、
学校に通ってる。
……まあ、100点じゃないにしてもね。
そっか……
……それから?
なんだっけ?
それから、
自由な精神を持ってる。
多少、はき違えているにしても。
僕には学校のみんなが、君をヒーロー扱いするのも分かる。
聞いた?
聞いたよ。
ヒーローか、
なるほど……
だからーー
いけね、俺、バイトだ。
そんじゃね!
いや、ちょっと、
話はここからーー
逃げられた。
紺野先輩?
”だから、君ならきっとみんなの模範になれる。
そうは思わないか?”
そう言いたかったんだ。
そうだったんですか……
もう、琉夏くん!
また捕まえるさ。
毎日声をかけてれば、
いつか本当の話が出来るんじゃないかって思ってるから。
本当の話、ですか?
そう。
僕にはね、彼が人を脅して乱暴なだけの、
いわゆる不良だとは思えない。
やっぱり、甘いかな?
(紺野先輩、
優しいな……)
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