ミリバ 短編集
マグル学教授@
チャリティ・バーベッジ
本来ならば、クィレル教授の後任に彼女がなるはずだったマグル学教授。それを私がしたのは、彼女を守るためでもあった。
アルバスに掛け負い、この教科を担当した。
さて、
今年のマグル学を専攻している生徒の数は15人。マイナーゆえに少ないのは仕方ない。
多い順としてグリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクローの順だ。スリザリン生なぞ蚊帳の外だ。
一学年ごとに行うのは実に効率が悪いという事に、前任(クィレル先生)には失礼だが校長と決めて下した結果が統一することになった。
月曜日の夕食後、夜8時から1時間だけの授業。
コースは二つ。
第一、第三、第五月曜日に専門技術習得科。
第二、第四月曜日に歴史と文化に触れてみよう科だ。
専門技術習得科は所謂、資格取得を目指すためのカリキュラム。
就職対策だな。
一人一人目指すものが違うためワンツーマン授業になってしまったが、これはこれでいい。
特別な許可をとって、ここでも使えるパソコンを五台導入をした。かなりの出費だったが…この時代、パソコンは出たばかりで普及率が著しく低い。一台五十万は超えたか…。
これには、かなーり骨が折れたことか。セキュリティの為インターネットは繋げていない。
歴史文化触れてみよう科は言わずもがな。そのまんまである。
新学期初の授業は今日。だが、今週一週間は一年生の授業の手伝い、か。手帳を見ながら確認する。
今日は一年生の変身術か。
あ、そういえば…
クィレル教授から何も言われてないや。手伝いは不要か?まぁ、それはそれでいいけど。
何せ後頭部に帝王さんがいるのだから、私がいたら落ち着かないだろう。彼が。
無関係の方が私は有り難い。
だって彼、臭いもん!!←失礼
*****
(ハリー side)
記念すべき初めての授業は変身術で、何故か先生が二人もいた。
マクゴナガル先生は厳格で、いつも背筋をピシッと伸ばしている。
その隣で、助手として紹介されたのがトゥリエル先生。マクゴナガル先生と対照的で、ニコニコしている。
マクゴナガル先生が授業開始と共に始めたのは、出席でも自己紹介でも教科書を開くのでもなく、お説教だった。
「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの一つです。
いい加減な態度で私の授業を受ける生徒は出ていってもらいますし、二度とクラスには入れません。初めから警告しておきます」
それから机を豚に変え、また元の机に戻してみせた。
(凄い!)
生徒達は感激して、早く試したくてウズウズした。
しかし、家具を動物に変えるようになるまでには、まだまだ時間がかかることがすぐわかり皆ガッカリしている。
「ゆっくり学んでいけば、皆も出来るから頑張ろうね」
トゥリエル先生の言葉に励まされて、やる気がでたのは僕だけじゃないはず。
それから散々複雑なノートを採った後、一人一人にマッチ棒が配られ、それを針に変える練習が始まった。
授業が終わるまでに僅かでもマッチ棒を針に変えることができたのはハーマイオニー・グレンジャーだけ。
マクゴナガル先生はクラス全員に彼女のマッチ棒がどんなに完璧な針に変わったかを見せた後、滅多に見せない微笑みを見せた。
僕も頑張らなくちゃ。
「Mr.ポッター」
授業が終わって、教室をロンと一緒に出ようとしたら誰かに呼び止められ後ろを振り向いたら、トゥリエル先生だった。
マクゴナガル先生とは違って(失礼だけど)、優しいのが印象的なトゥリエル先生。
「忘れ物ですよ」
「あ、ありがとうございます」
と、渡されたのは羽ペン。
…と飴玉二つ。
「リラックス出来るから食べてね」
「あ、はい…」
そう言って、教室に戻って行ったトゥリエル先生の背中を、僕はロンに言われるまで見つめ突っ立ていた。
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