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ミリバ 短編集
新米教授と校歌
(ユーロSide)



「おめでとう!ホグワーツの新入生、おめでとう!歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせていただきたい。では、いきますぞ。そーれ!わっしょい!こらしょい!どっこらしょい!以上!」



これも毎年恒例ダンブルドア校長の祝辞。マロン除く転生者以外の出席者全員が拍手し歓声をあげた。

日本の学校の厳粛な入学式とは全く違い、こちらは随分賑やかだ。

…と、こちらレイブンクローのテーブルからの解説である。





ふと、照明…違った

蝋燭の火が暗くなったかと思えば天井に浮かぶ文字。



―Welcome to the Hogwarts!!―



花火の音と光が大広間中に降り注ぎ、生徒や教授達(一部除く)の大歓声が沸き起こった。



―我等、悪戯仕掛人 今年もよろしく!!―



どうやら、この演出は彼等の仕業らしい。



「今年も、か…」

「宜しくない」



顔を険しそうにして言うチルドに、ユーロは苦笑した。





*****





食事やデザートも終わり、テーブルにあった料理が消える。



「全員よく食べ、よく飲んだことじゃろうから、また二言、三言。新学期を迎えるにあたり、いくつかお知らせがある。

新しく闇の魔術に対する防衛術を担当することになったクィリナス・クィレル先生

それからマグル学の担当はマロン・トゥリエル先生じゃ、拍手を」


二人が立つと、拍手が沸き起こった。



「マグル学のカリキュラムが大幅に変更になったので選択している生徒は最初の授業で説明を受けるように。

ここからは注意点じゃが…特に一年生、校内にある森には入ったらいかん。これは上級生の何人かの生徒たちにも特に注意しておく。

管理人のフィルチさんから授業の合間に廊下で魔法を使わないように、という注意がありました。

今学期は二週目にクィディッチの予選があります。寮のチームに参加したい人はマダム・フーチに連絡してください。

…最後ですが、とても痛い死に方をしたくない人は、今年いっぱい四階の右側の廊下に入ってはいけません」



広間にいた、ごく少数の生徒がざわめき立つ。



隣にいた監督生の先輩方が難しい顔をしている。



「おかしいね…」

「ああ」

「どうして立入禁止なのか必ず理由を説明してくれるのに。森には危険な動物が沢山いるからわかるし、知っている。せめて監督生の僕らに訳を言ってくれてもよかったのに」



「…」

「…」



俺とチルドは顔を合わせた。



「では、寝る前に校歌を歌いましょう!」



ダンブルドアが声を張り上げた。



「みんな自分の好きなメロディーで。では、さん、し、はい!」



―――


ホグワーツ ホグワーツ
ホグホグ ワツワツ ホグワーツ
教えて どうぞ 僕たちに
老いても ハゲても 青二才でも
頭にゃなんとか詰め込める
おもしろいものを詰め込める
今はからっぽ 空気詰め
死んだハエやら がらくた詰め
教えて 価値のあるものを
教えて 忘れてしまったものを
ベストをつくせば あとはお任せ
学べよ脳みそ 腐るまで







みんなバラバラに歌い終え、とびきり遅い葬送行進曲で歌っていた双子のウィーズリー兄弟が最後まで残った。

ダンブルドアは二人が歌い終わった時、誰にも負けないぐらい大きな拍手をした。



「ああ、音楽とは何にもまさる魔法じゃ」



感激の涙をぬぐいながらダンブルドアが言った。



(…すみません、僕には感動要素がわからない)



「さあ、諸君、就寝時間。かけ足!」



食事の後の歌と駆け足って酷じゃないだろうか…















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