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ミリバ 短編集
閑話 マロンside
1985年6月31日





やり残したことがあった。



―コツコツッ



石畳の廊下に響く足音



破壊者は、ある決意のもと
この場所へ訪れた。

明日にはもう此処を卒業してしまうから…



必要の部屋の前で立ち止まり、強い願いを思い浮かべ三回往復する。



(ロウェナ・レイブンクローの髪飾りを求める…)



トム・リドルが学生時代に隠しただろう分霊箱…だったかどうかわからないが、まぁいい。

本来ならば、まだまだ先の未来で壊される物。
例え今壊したとして支障はない、はず。


そうして開かれた扉の先には、まあそれは闇の魔術に関するアイテムが山盛りで☆

この中から探せとか、ふざけんな



面倒だ…



「アクシオ、ロウェナ・レイブンクローの髪飾り」



パシンッ



「ッ!!」



カランッ



掴んだそれは床に落ちて、



「はは、すっごい邪気!!」



手がビリッときたわ。でも、壊す。


白いチョークをウエストポーチから取り出し、髪飾りを中心に陣を描く。

この七年間、ただただ学業に励んできたわけじゃない。

浄化という聖なる魔法を開発、習得したのだ。

複雑に入り乱れた数式に何度悩まされたことか!自分で言ったら痛いけど天才だと思う。



さて、


パンパンと指についた粉を叩き落とし、瓶に入った聖水を取り出し髪飾りに注いだ。



「闇は光に勝てない…影となるものがない限りは、」



私は杖を構え、唱譜を口ずさんだ。





―哀れな魂に浄化の光よ、与えん…




光が周囲を包んだ。





*****





「Ms.トゥリエル!」

「ポピー……」



職員室を通り掛かった時、なぜかマダム・ポンフリーに呼び止められた。



「貴女、顔色が悪いですよ!?」



ああ、そういえばかなり力を消費したからなぁなんて呑気に考える。



「寝れば大丈夫ですよー」



ヘラヘラと笑い、そう言えば更に怒られた。すんません。



「ダメです。栄養剤をあげますから医務室に行きましょう」



有無を言わさず手を引かれる私に教授方々が生暖かく見守っていたことに私は知らない。



セブルス・スネイプただ一人を除いて…

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あきゅろす。
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