ミリバ 短編集
┠一年目 組分け帽子
「スリザリンッ!」
帽子の高らかな声と共にスリザリン生たちの歓声が上がった。
無表情で、さっさとスリザリンのテーブルへ向かい空いているスペースに座る。
まぁ、寮なんてどこでも良かったんだよねぇ…誰でもよかった的な。そんな罪歴はいらねぇよ。
列車で同席だったあの二人もスリザリンだ。
不意に、隣に座っている上級生らしき男子生徒にポンッと肩を叩かれた。
黒髪灰色の瞳の人。しかも中々のハンサムときた。ほら私に突き刺さるお姉様たちの視線が痛いぜ…
(ん…?)
何か引っ掛かりを感じる。どこかで見たことあるような…
「スリザリンへ、ようこそ」
歓迎を受け、差し出された手を握った。
「僕は、レギュラス…
レギュラス・ブラック。よろしく」
「マロン・トゥリエルです」
…まさかのエンカウント!
平然を装う、一応。
組分けの儀式は終了し、帽子の片付けが終わる。
校長が杖を振れば、テーブルには様々な料理が出現して広間は賑やかになった。大体の生徒はお腹を空かせていたのだから。
「やっと食べられるー」と、グリフィンドール側から聞こえてきた。
やはりイギリス料理の、こってり系とか味が濃いのはもう慣れた…最初の頃は母様に味付けを薄めてもらったのは、いい思い出(私限定で)
そういえば、組分け帽子に妙なことを言われたな…。
魂が違う、と…。
どういう意味なのか、何を示唆しているのか今の私に思い当たるのは、
…ま、いいや。
一口大のローストビーフにフォークを突き刺した。
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