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ミリバ 短編集
少女M、魔法使いになる

―ガタンゴトンと揺れる赤い電車…否、汽車。

放心状態のマロンは朝の事を思い出していた。





***





い゙やだー!!!行きたくない゙ー―――!!!





ホグワーツだけは行きたくなかったのに!!





キングズ・クロス駅の近くにある木にしがみつき、必死に抵抗する私。ほら!通行人が見てるから諦めてよ父様母様!!


第一ホグワーツなんて行きたくなかったのに、今は暗黒時代だし、両親に無理矢理行かされることになった。せめてボーバトンに行きたかった…



そりゃ、魔法をコントロールできなきゃ大変だってわかってるさ。わかってるもん。

だけど、面倒事は、まっぴらゴメンだ!!



必死に、前世の記憶を引っ張り出したら大変なことがわかった。


―親世代が今年で卒業してしまったってことだ


ああ、幸か…と思うか!にゃろう!!



こうなったら故意に退学にでもなってやろうか…






「ダーリン、固定して!」

「あいよ!!」



お父様は何故か私の足を掴み、お母様は満面の笑みで指をワキワキしながら近寄って来る。

え、なんかヤバ…



「マロン、いい加減にしなさい♪」




ぎゃははははっ!!!



お母様お得意の、こちょばし攻撃を喰らった私は木から手を離してしまった。なんてこったい。

抵抗する暇もなく父様に担がれ、汽車に乗せられたのは言うまでもない。





*****


コンパートメントを一人で独占する。貸し切り状態いぇい♪



「、」



流れる風景を、ただ見つめてボーっとする今の自分は無気力状態だろう。




「はあぁ…」



やる気が無い。まったくもって。





*****



列車が動き出して、しばらくしてから扉の叩く音がしそちらへ視線を向ける。



「どうぞ」



そこには二人の少年が立っていた。



「えっと…ここ座らせてもらってもいいか?」

「構わない」



そう言うと嬉しそうに二人の少年が入ってきた。別に話す気はないので二人の存在には気を留めず外の景色を眺めたが…



「…何?」



男子二人の視線に耐えられず、二人に顔を向けた。途端に銀色の髪の少年は笑った。



「俺、ヴォルド!ヴォルド・キュレル」

「……セシル・ランバーヤード」

「私はマロン・トゥリエル、よろしく」



キュレルにランバーヤードか。確か純血主義の家系(母親情報)…だったか。
普通ならば仲良くしたほうがいいが生憎どうでもいい。



「…驚かないのか?」

「驚いてほしいのか?」



その言葉にヴォルドはポカーンとした顔をし固まる。

こんな感じに(゚д゚)。


フリーズする彼を放っておいて私がこれからの学校生活について考え始めようと視線を窓に向ける。


本には無い期間、内容。下手に動くわけにはいかない。

模範的な優等生を装う、それでいい。





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あきゅろす。
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