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ミリバ 短編集
少年は破壊者たちを引き連れる
それは神の悪戯か。



まさか自分に二度目の人生が待っていようとは、思いもよらなかった。

しかも、魔法という非科学的な世界とは笑える。まぁ、悪くもないが。

前世というべきか、そうした仲間たちがいることを知った時は、どんなに嬉しかったことか。



この世界の事は、一通り知っているつもりでいるが何分あやふやなことで不確か。某児童書小説はサラ読みした程度。

そこで、俺は前世の記憶を持つ仲間たちを必要の部屋へと集めた。

人が死にすぎなこの世界を救いたいとか何てエゴイズムか自覚はしているつもりだが、変えるつもりは毛頭ない。


しかし若干一名乗り気ではない人もいるようだが…



「不満?」

「…、」



マクベスの問いにマロンは何も答えない。

俺たちより1番先に、この世界に零れ落ちたマロンは何を思っているのだろうか。



「知っていて見殺しにするなんて私にはできないわ」



マクベスと同じグリフィンドールのネクタイをした黒髪の少女マリリは言った。



「なぁなぁ」



ハッフルパフの黄色のネクタイを、ただ首から下げているのはマラドーナだ。



「どうした?」

「俺やユーロ、叢雲やチルドの立ち振る舞いとかってどうすればいいん?」

「正直、悩んでたんだ、それについて」

「ぶっちゃけ1番詳しいのはマロンだけじゃね」

「…まぁ、ね」

「歯切れが悪いぞ、マロン」

「む…否定はしないよ、チルド。でも、私が知るのは原作だ。大きく捩曲げてしまっては意味がないだろう。そうなったら私が持つ原作知識は意味を成さなくなる、違うか?」



確かに、一律あるが…。


マロンは、ため息をはく。



「あまり派手な動きは止めてくれ」

「でも、俺達はイレギュラーな存在だろう。もう既に此処にいること自体狂いはじめてる」



マラドーナの言葉にマロンは、眉をひそめた。


「…そうだな」

「Σ素直だな」


叢雲のツッコミで、これ以上話し合うのは無意味と判断したため、とりあえずは、この賢者の石編は大きな行動は起こさないことにしようと今日はお開きになった。










*****



グリフィンドール寮への道をマリリと歩く。



「いよいよ始まるんだね」

「ああ、でも実際に行動するのは四巻から…炎のゴブレットからだな」

「私、彼等を助けたい」



会ったこともない関わりのない人間が、そう言うのは可笑しいかな?

マリリは言った。

確かにここは物語の世界。

でも目の前にいる彼等は、息をしている。動いている。本物の人間なんだ。作り物ではないのだ。



「俺たちの出来ることだけをすればいいさ」



今はそれだけでいい。
















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