ミリバ 短編集
9
半崩壊した小屋の目の前に立ち
足元に伏している男の首筋に刀を当てればガクガクと震えて命乞いをする海賊
何故、海賊かって?
…吐かせたカラ
「おじさん、ここで何の実験を?」
「…っ」
口を割らない男
かれこれこのやり取りが何回も続いている、正直時間が無駄だと感じた自分は最後に男に問いかける。
「言うか死ぬか選べ」
上から見下している自分はさぞかし恐怖の対象だろう
認めるさ………涙ホロリ
「あの怪しい機械はなんだ?ん?」
「い、言うから首から剣を退けてくれぇ!」
「…わかった」
ホッと一息を洩らす男、だが
「ロープで縛らせてもらうぞ」(ニンマリ)
「!!」
数分後…
「う"ぅ…も、いいだろ降ろしてぐれよ」
全身ロープ巻きにされ天井から逆さ吊りにされている男…そろそろ降ろすか、死んだら困るし
もし賞金首だったら海軍に引き渡せばいいか。あ、でも海賊だからどのみち引き渡すか
天井を結ぶ一本のロープを断ち切り、男を下に落とす…因みに私は鬼畜ではない
ドスンといい音がしたのは気にしないでおこう
「脳天やられて気絶したか」
この男から聞き出したことは幾つかある
海賊団の名前はセンノ海賊団…電波機械を使って獣を操り…町、村を襲って物を強奪を繰り返している模様
そして今、村の襲撃を開始したところだと…ふざけるな
「急いで戻るか」
マロンは気絶した男を引きずりながら山を下った
*****
「かはっ!」
「ホノト!!」
海賊の一人に肩を切られ地に倒れるホノト
「……クソ強えぇ…」
ギリッと奥歯を噛みしめ不適に笑う海賊たちを睨むも虚し
こんな時にマロンが居てくれたのならと思うと自分の力の無さに悲しくなる
口内に溜まったツバと血を吐き捨てた
「はっ…男が女に頼るなんて情けねぇなぁ…」
足に力を入れ立ち上がる
「ルチア…援護宜しく」
「任せて!」
再び体勢を立て直し、二人は敵の中へ突っ込んでゆく
「畜生!海軍はまだなのか!?」
「村長!海賊が村に…!」
「ぬぅぅ…」
村人たちは焦りだす
「戦える者は戦うんじゃ!!」
何もしないより戦って一か八かやる方がよいと村長は決断した
村長の言葉と共に村人たちの志気が高まり始める
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