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ミリバ 短編集




彼等について幾つか分かったことがある



任務について

一人で行うこともあれば、複数人でこなすモノもある

期間は短期、長期と幅広い



部隊に配属される隊員について


殆どが幼い頃から厳しい訓練を積んできた戦闘のエキスパート、という事

人並み外れた戦闘力と体力

人数は少数だが一人一人の実力は本物らしく、いつか手合わせしてみたいものだと、恐れ多くも思った



パタリと本を閉じ、マロンは軍の資料室から出た



「…(ヤバい、私には無理だ)」



歩きながら頭の中で呟く

自身は只の軍人。特別な訓練など受けているはずもない

部隊への配属を推薦した大将殿は一体何を考えているのだろうか


わからない…


しばらくの間の自問自答

当然、答えなど見つかるはずもなく

気づけば夕暮れで空はオレンジ色に染まっていた



殺しの集団

はたして私に何を与えてくれるのだろうか

無感情の下で





*****




夕食後


食堂から、また資料室へ行こうと軍本部の長い廊下を歩く



「ちょっと、そこの君!」



途中、誰かに呼び止められ後ろを振り返ると

スラリとした長身の男性が立っていた



「はい?」



七分袖のシャツにラフなジーンズ

金髪の、何処かで見たことあるような顔立ち

はて、何処だっけ…どっかで見たんだよ、うん

思考をフル回転していると、こちらへ近寄ってきた



「ちょっと付いて来て」

「は!?」



腕を捕まれ、何処かへ歩き出した金髪青年の表情は柔らかく

自身を混乱させるのには十分で



「あなた誰ですか?!」

「ASBのルシードよろしくな!」

「おぉ!こちらこそ宜しくって、ちげぇぇぇー!!」



まさしく爽快スマイル

白い歯がキラリと効果音が、つきそうなくらい彼はニコッと笑った


なんだこのキャラは…;


グイグイと腕を引っ張られたどり着いた先はS棟

トップクラスの部隊のみがS棟に基地を設けられることができる



「どさくさに紛れて手を恋人繋ぎにするのやめて下さい」

「照れるなよ」

「照れてません!」



誰か助けてー







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