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ミリバ 短編集
士官訓練校卒業式





朝も夜も関係ない、イストニア地下に広がるシェルター。


その中には市民地区、軍本部、医療地区などがある。



今日は、士官訓練校の第3122期卒業式…

血を吐くような訓練過程を終えた彼等は晴れて正規軍、又は小隊へと配属される。




兵舎や校門には後輩や友、教官と別れを惜しむ者たちで賑わっていた。


挺身科を卒業したマロンもまた、明日からの再スタートに心を踊らせていた。




「…今日で最後、か」




校門から出る前に、振り返って兵舎を見据える。


思い出すは此処で過ごした日々。



訓練でヘマして死にかけ、教官に怒られたり

単位足らずで留年しそうになったり

テストで赤点取って再試を二回も受けたり…



………………うっ…ι


よくよく考えれば嫌な思い出でばっかじゃん私…


でも、


一番は親友に出会えたことだ。




「マ・ロ・ン〜!」




あー


噂をすれば何とやらで


後ろを振り返れば沢山の花束を両腕に抱えた友が、こちらへ走ってきた。




「どうしたの、それ」




指を指し問えば、




「後輩達からよ」




と、嬉しそうにする彼女。




その姿を見ると本当に、みんなに愛されてるんだと感じた。


常に彼女の周りには人がいて、自分は遠くから眺めていただけだった。


笑顔の君と

それを一人見守る。



孤独感さえ、あっても尚…


同性として好きだと…




「マロン?」


「…ん」


「ぼーとしてる」


「ふっ…そうね」




零れる笑み


君と笑いあえるのは何時までなのだろう…







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あきゅろす。
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