ミリバ 短編集
G
数日後
とある軍基地の部屋の前にマロンは立っていた。
「…………」
汗ばむ手に持つは封筒。
中身は、彼から…マクベスからの文…
それを握りしめる。
「すぅ〜…はぁ〜…」
深呼吸で心臓を落ち着かせる。
そして、目の前の扉を見据えて控え目にノックをすれば入室の許可が下りる。
ドアノブに手を掛け、ゆっくりと押せば数日振りに見た紅眼の彼の人。
「待っていたよ、早速だけど入隊の件だが…」
しばらくの沈黙…
重たい空気が流れ一気に不安が押し寄せる。
「今すぐには許可出来ない…」
「…っ」
嗚呼、
次の彼の言葉はきっと
大丈夫
アピールとか、足りなかっただけだ
大丈夫、大丈夫
今より、この街で強くなって
馴染んで、信頼されるような人になって
また
入隊申請すればいいじゃないか
「けど…」
「…?」
「しばらく僕の仲間と行動を共にしてもらうよ。それっから考えよう」
最近は入隊しても馴染めずに脱退しちゃう人が多くてね〜、と付け足して。
予想外の言葉に動揺しつつも、しっかりと返事を返した。
とりあえずは、これでいいのだ?
。
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