ミリバ 短編集 再会と知らなかった真実 イラエ南渓谷 ウォーリアが拠点を張る此処で ジュラは一人立つ。 向かい合うは かつて、イストニアで共に過ごした戦友の男 そして我が元隊長… 「…お久しぶりね、ハル」 「ああ、君も元気そうだね」 落ち着きある、優しい口調で話す彼 彼は私が反逆者であることを知っている。 なぜ、私が国を裏切ったのかは、また別の話として… 「みんなは元気?」 「うるさいくらいに元気だよ」 そう言って、ハルはおどけ笑う。 だが、その顔には少々愁いがあった… 「そっか…妹とマロンは?」 一番気になっていたことを言った。 イストニアに置いてきた、実の妹と弟子… ハルの表情が少し暗くなったのがわかった。 嫌な予感が脳裏をよぎる ―夕刻 あと数分で太陽が完全に沈んでしまう前に、ジュラは反乱軍本拠地の会議室に入る。 中では既に12小隊長とタイガーが座っており会議を始めようとしていた。 全員が集まったところでタイガーは話を進めた。 「数日後に行われるであろうイストニアとモザークの戦争に、戦力が削られたところを我ら反乱軍が乱入し全滅する。各小隊長は指示に従い…」 タイガーの話し声が小さくなってゆく。 ハルから聞いた真実が 頭から離れずにいた。 人目を避けるために岩影に移動しハルから話を聞いた。 「マロンは亡命したよ…」 亡命局…ほんの三年前に出来たものだ 政府の人間は認めてないが… 続けてハルは言った。 「あと、彼女は…君の妹は死んだよ」 「!!」 死ん…だ? 「嘘でしょ…」 嫌だ、 「嘘じゃない、これが彼女が最期まで持っていた遺品だよ」 ハルから渡されたのは、焼けたネックレス 私が妹の昇格祝いにあげた 銀のネックレス… 妹の死を知り頭の中が真っ白になる。 「…いつ?」 震える声を、震える体を必死で抑えながらジュラはハルに問う。 「四年前…君が国を去った一年後だよ。その年は大きな戦争があってね…」 「妹の…最期は…」 「とても勇敢だった…自分の命と引き換えに敵の大将を倒して、今は停戦状態さ。イストニア側も被害が大きかったからね」 「………」 知らなかった…。 大きな対戦が起きていたなんて ねぇ…レイシ 私は失ったものが多すぎたみたいだ… 唯一の肉親も 弟子も 愛した貴方も… 。 [*前へ][次へ#] [戻る] |