ミリバ 短編集 ある夜の逃避行 薄暗い雪山をただひたすら走る二つの影。 お互いに手を強く握りしめ、 離れないように… 薄暗い雪道に足を取られ躓きなりそうになるも片方が支えた。 二つの白いローブから微かに見えるイストニア軍の軍服とモザーク軍の軍服… 二つの影と、それを捕らえようとする"追う者達"… 二つの影、男と女の視線の下には崖 後には引けない二人の背後には "追う者達" が迫っていた。 「…レイシ」 「ジュラ…」 二人はお互いの名を呼び合い短い口付けを交わし、手を握り合い崖から身を投じた。 その姿は谷底へと消えて 彼らを逃した兵士は悔しそうにライフルを雪の上に投げつけた。 戦歴3850年の冬の日の出来事... 。 [次へ#] [戻る] |