ミリバ 短編集
┗新任セブルス・スネイプの憂鬱*執筆中
閉館時間が間近に迫った図書館でマロン達は勉強をしていた。1年時からの腐れ縁であるセシルとヴォルドと一緒に。
五年生となった今年はOWL試験があるので例年のように、のんびりと過ごすことが出来ない、と二人に言えば呆れられた。何故だ。
ため息が出そうになるのを堪え、カリカリと無心で羽ペンを走らせている二人を眺めていたら閉館時間になったのかマダムピンズの声が聞こえる。マロン達は急いで勉強道具を片付け図書館を出た。
地下にある自寮の談話室に入るとヴォルドが恋焦がれている噂の人が勉強しているのを見つけた。
どうやら話しかけたいヴォルドを置いてマロンとセシルはそれぞれの部屋へと続く階段の前で別れた。
***
「今度のホグズミート、彼女と行くから」
朝食の席でヴォルドの爆弾発言が、投下された。
彼女というのは同寮生のシフォンの事だろう、きっと。
「セシルは?」
マロンがセシルに問いかける。ここでセシルも行かない又は別の誰かと行く、と言えばマロンは一人になる。いつも行動は三人だったから寂寥感を感じた。
ルームメイトの女の子から指摘された「男女の友情なんて」という言葉だ。
「俺は後輩に誘われてるから」
「そっかー」
「マロンもたまには女友達と行ってきたら?」
「………おい、ヴォルド。それはどういう意味だ」
ケラケラと笑うヴォルドを睨む。
ハニーデュークスに行って、ゾンコで悪戯道具を買って、クディッチ専門店を見て、三本の箒でバタービールを飲む。いつも三人一緒で。
それは何時まで…?
***
(side セブルス)
「…Ms.トゥリエル」
「何ですか、スネイプ教授」
数刻前、この少女は授業の事で質問しに訪ねてきた。質問事態はあまり時間が要さなかったが、何故か片手に本、片手に紅茶と漆黒のソファで寛いでいる。何様なのだ貴様。
そもそも今日はホグズミートの日だ。こいつは何時もの二人と一緒ではないのか。
「用が済んだのならとっとと出ていってもらいたいものですな」
ピシャリと言い退ければ少女の双眼がこちらへと向く。曇りのない眼で。自寮の優秀な生徒は申し訳なさそうに眉を下げた。
「すみません、教授の紅茶が美味しくて。ついつい。おかわりしても?」
「…」
流石、魔法薬学の先生ですね。と言われ
無言でティーポットを出せば少女は笑顔になった。
「――――――……」
甦る記憶。
一セブの淹れてくれた紅茶、美味しいわ!
幼なじみの言葉が少女と被った。
振り払うように黙って杖を振るえば、少女の持っていたティーカップは跡形もなく消えた。
非常に残念がる少女を帰らせる。
「私とて忙しいのだが」
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