ミリバ 短編集
┃あの人と私の関係
鈍器で殴られたような感覚とは当にこの事だろうか。
マロ「お母さんの旧姓がゴーント?」
「ええ」
モーフィン・ゴーント
メローピー・ゴーントの兄であり、つまり。
母とヴォルデモートが従兄弟同士というわけで、私が従姪というわけか?
…………。
まてまて、整理したい。
母の母、つまり私の叔母は結婚生活僅か一年たらずで破局。スウェーデンに移り住む。1940年に母は産まれ1968年に私は産まれた。
そして、
ちらりと母を伺えば、左手にうねる何か。コーンスネークだったか、蛇がいた。大きくもなく、小さくもなく。人間でいうと成人らしい。母が蛇を飼っていたというのはそういうことか。
そう、パーセルタング。
「まじかぁー」
「マジなのよ」
クスリと笑う母に脱力した。魔法界から恐れられているヴォルデモート卿、トム・マールヴォロ・リドルと唯一の親戚の母と私。いままでなんもなかったなんて奇跡じゃないかと、つくづく思う。
そもそも母が放浪主義者。世界をあちこち旅していれば。なので魔法省は気付かなかったらしい。恐れられているヴォルデモート卿の血縁関係が明るみにならなかったには奇跡と言えよう。
「大変じゃん!?」
別に私達は平和に暮らしてきたんだから、血縁関係だからといってお咎めになるわけないじゃない神経質過ぎるのよマロンと母は宣う。
脱力。
「まぁ、彼はこちら側にスカウトしにくるでしょうね」
「もう目をつけられちゃったよ!!」
この前のパーティーでの邂逅を思いだし、頭を抱えた。
紅い瞳、あれは捕食者の眼だった。
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