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デスノshort
責任とれますか?




「名無子、急にどうしたんですか」


『竜崎くん竜崎くん…あのさ…』


「なんですか?」



『くっつきすぎだよ!』


今現在は昼。

Lは朝から私の腰に抱きついたまま離れようとしない。

今はキラ捜査でこんな事をしている暇はないはず。


局長達だって別の部屋にいるんだしさ、もっと緊張感とかないのかね?


『捜査中もずっと抱きついたままだし、局長さん達の前でもおかまいなし…

今はこんな事してる場合じゃないでしょうが』


今は自室にいるが、本部にいる時でも私の腰から離れようとしないL。

さすがにこれはまずいと思い、わざわざ自室に呼び出して離れるように促すが…


「こんな時だからこそです。」


またわけのわからない事を言い出した。


『何それ』


「私は名無子にくっついていれば集中力が20%増える事に気がつきました。

なのでこのままの方が捜査的にも気分的にも効率的です」


『いつ気がついたのよそれ』


「今さっきです。」





絶対今思いついただけだろ!




『そう、でもさ、そうだとしてもさ、まわりの人はあまり気分よろしくないじゃん。
みんな頑張ってるのにさ、こっちでさ、こんな事してたらさ』


みんなも命がけなんだ。
こんなふざけたことしていちゃいけない。


「名無子」


『……何?』


Lは私の顔をみると深くため息をついた。

わかってないですね…

と心の声が聞こえてくる。




「キラ事件。早く終わらせたいですよね。」


『え、あぁ、うん。』


「それにはどんな事にも気を抜かず、常に集中しなければなりません。」


『…………』


「私はこのように名無子にくっついていると調子がいいです。

さっきまでもそのおかげでキラについて色々気づくことがでくました。

ですが名無子が私を呼び出してしまった事で集中力が途切れてしまいました。

ゆゆしきことです。」


『あの…』


「名無子はこの責任をとれますか」





意地でも譲らない気か…!


『せ、責任ってなに!?』


「キラ捜査の邪魔をするのでしたら…


物凄い重罪ですね…

とってもらう責任も優しいものではないでしょう


賢い名無子なら…


わかりますね?」


『……………』







大量の冷や汗が名無子の全身を覆うのにそう時間はいらなかった。








*****





「あれ、竜崎?名無子さんに叱られたんじゃないんですか?」




捜査に戻り、結局足の間に名無子を座らせて離れようとしないLに松田が疑問符を浮かべた。




「いいえ、愛を深めていました。」



「ふーん……

ってあれ!?名無子さん顔色悪いですよ!?」



『そ、そんな事、ないですよ?は、はは、…』


平静を保ったつもりだが声が裏返って変な発音になってしまった


「疲れてるんだそうです。
だから私がこうやって癒してるんですよ。」


Lは私の首回りに腕を巻きつけて満足そうな顔でほっぺをスリスリする。

普段だったら私も照れるしやり返すだろう。



「若いっていいねぇ…

あぁ僕も若いのになぁ、彼女欲しいよまったく…」


松田は恨めしそうにつぶやき、局長達のもとへもどっていってしまった。










それからしばらく捜査中は大人しくなった名無子。





少し脅し過ぎたのか?



だがLは名無子の機嫌の戻し方を知っている。

これで嫌われるなんて事は絶対ない。

断言出来る。






「名無子」



『………なに』



「愛してますよ」



目を見て笑いながら、優しく言えば、名無子は許してくれる。


名無子の顔はみるみる赤くなり、体温が上がるのが私にも伝わった。



『……………っ

ば、ばかっ!』




愛おしい。

なんでこんなに可愛らしいのか、わけがわからない。


愛しているなんて100回言ったってたりないくらいだ。






キラ…




はやく終らせ、名無子と暮らす。
幸せにしてみせる。





「終らせてやる…」



『……なんか言った?』





「名無子がもっと積極的にデレデレしてくれたらさらに集中できそうです。」





『本当に馬鹿だな!?』



「名無子の前だけです。」



『あぁ、もう…っ』




顔を両手で覆う名無子。


それをわしゃわしゃと頭を撫でるL。



私をこんなに変えた責任もちゃんととってくださいよ?




永遠は無理でも


もっとこんな幸せが続きますように。




おしまい


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