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FF7short
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「今日は先に寝てても…」

『ううん、起きてる。てか、なんか雑音聞こえるんだけど…』


ただ今の時刻は零時ちょっと前。突然携帯が鳴りだして、慌ててでると相手はクラウドだった。


荷物が多く、いつもより遅くなるから先に寝てろとの事だが…とにかく携帯のクラウド側がかなり煩い。


「ん、今配達中だからな」

『あー、配達中なん…は?』

「どうした?」


配達中…ってことは、今クラウドはフェンリルで走りながら電話してるって事?


『今、片手運転してるでしょ』

「ああ、そうだな。今電話しながらだか…」

『馬鹿!なんで配達中に電話なんかするんだよ!』


かなりの大声を出したため、きっとクラウドは耳から携帯を離していることだろう。

でも、危ないし!?
クラウドになんかあったら…


「慣れてるし、名無子も夜を不安なまま過ごすの嫌だろ?」

今、すっっっごい不安なんですけど!?



『慣れててもダメ!さっさと仕事終わらせて帰って来んかい!
馬鹿チョコボ!』


「お前…心配してやってんのになん……ガシャン!プツン」


『……………クラウド?』




突然大きな物音の後すぐに切れたクラウドの通信。
一気に私を不安が包んだ。


少しし、何度か連絡を入れるが繋がることはなく…
望みは薄いが留守電も入れておいた。

何かと正面衝突でもしたのだろうか?
いや、転んだだけかもしれないし…まさか、死ん…まさかな!
クラウドに限ってそれはな!
ないない!奴はしぶといからな!色んな意味でもしぶといからな!



まさか………だよな?





思考はどんどん最悪な方向へ。
意味もなく外を見てみたり、何度も時計を見遣る。

最終的には頭を抱え、最期に言った言葉は馬鹿チョコボだ…なんて考え出す始末。




そして、しばらくすると家の扉がゆっくり開いた。
入って来た人物は…



『ク、…クラウドォ!!』

「な!?なんだ急に!?」



入って来た瞬間にクラウドに抱き着けば赤面しながら軽く慌てるクラウド。

こっちはこんなに心配したってのに…コイツは……。


『うっさい!凄く、心配して…クラウドになんかあったら……私………』

そこまで言うとクラウドは何故かクスクスと笑い出す。
人がこんなに心配したってのに一体なんなんだ。

「あれか、あれはただ携帯を落としただけだ。あ、そういえば留守録入ってたな」

ニヤリと笑い、携帯を見せ付けるクラウド。


ま さ か


゙クラウド?何かあった?気付いたらすぐ連絡…゙

『ああああああ!!!クラウド!!やめて!!は、ハズイ!ハズイ!恥ずかしい!!』

何を思ったのかクラウドの野郎は私の入れた留守録を再生しだした。


「なんだ?まだ10件くらいあるぞ?」

『だまれ!返せ!コラ、チョコボ!!』

携帯を取り返そうとすると、クラウドは携帯を高く掲げ、どんなに頑張っても手が届かない。


低い低いとはいってもそれなりに高いクラウドがかなり腹立つ!


「届かない癖に。無理すると転ぶぞ」


『うっせー!いいから携帯を……ふぬぁ!?』

「…だから言ったろ」



予言通りに転んだ名無子をクラウドは優しく抱き留めてくれた。
嬉しいけど…


『もっと、強く…』

「ん、」


『…………もっと』

「なんだ、今日はやけに甘えるな?」


『そんくらい心配したんじゃ。馬鹿』

「…悪かった」



さらさらと毛並みを確かめるように私の髪を撫でるクラウド。




「でも俺が名無子を置いていなくなるわけないだろ」

『ホント?』

「ああ」


今までクラウドの胸に顔を埋めていた顔を上げ、蒼い瞳を覗き込むと、しっかり頷いて名無子の瞳を見つめ返した。





『絶対、だからね』

「あたりまえだ」




そのまま唇を重ね合わせ、二人で静かに笑い合う。



もしも、クラウドが隣からいなくなったらって考えると、凄く怖いんだ。



だから、いつまでも私をそばにおいておいてね?






END


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