FF7short
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『クラウドーこれほしい!』
「別にいらなくないか?」
『いやね、クラウドにはどうでもいいかもしれないけど、これ私にとって凄い重要なものだから!』
「………」
私達がいるのはとあるマーケットの寝具類がある場所。
最近同棲し始めたので生活に必要なものを色々集めているのだが…
『お金あるし、いいでしょ?』
名無子が猫型の抱き枕をもったまま離さない。
「…どうせお前の場合、枕の見た目にやられただけだろ」
名無子は可愛い系の物をみると直ぐに欲しがる習性をもっている。
そのせいで買ったはいいが使わずに置いてあるだけの物がかなりあるのだ。
『な、そんなことないよ!最近夜がなんか物寂しくて寝付けないんだよ!』
私がそういうとクラウドはとんでもないことを言い出した。
「じゃあ俺を抱き枕にしたらいい」
聞きました?
手を繋ぐだけで顔真っ赤にして固まる人ですよ?
どこからそんな言葉が…。
『寝る部屋…違うじゃん』
「そんなの変えればいい」
『蹴飛ばすかもよ?』
「平気さ」
『恥ずかしくない?』
「嫌なら買ってやるが」
『…我慢する』
でもそんなクラウドに私は弱いようです。
抱き枕を諦めた私の頭をクラウドが撫でる。
というか優しくぽんぽんと叩いた。
『子供扱いしないでよ』
「愛情表現だ」
『………』
やっぱり私はクラウドに弱い。
単純な一言で私はクラウドに言い返せなくなる。
「わかったら帰るぞ」
『…うん』
けど、どんなクラウドも好きだから。
いつまでもそばにいたいと思う。
『…クラウド』
「……!」
帰り際に手を繋いでみたらクラウドは顔真っ赤にして固まる。
『ふふ、こんなんじゃやっぱり抱き枕は無理なんじゃん?』
「な、人がせっかく…!」
『冗談!夜を楽しみにしてるよー』
笑顔で応えると更に赤面してとうとう目を反らしてしまった。
ま、こんな直ぐ照れるクラウドもすきだけどね!
『よし、家にレッツゴー!』
帰路をダッシュする私をクラウドは追い掛ける。
数分もしない内に二人の影は夕日に溶け込んで消えていった。
次の日朝起きて私が抱き枕になっていたのはまた別の話。
‐‐‐‐‐‐
なんだこれ…。
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