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FF7short
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人は、自分の声や体温が1番落ち着くというけれど、クラウドの声や体温が1番落ち着くという私は重症なのだろうか。

でも、最近クラウドは忙しく、家で二人きりになってもいちゃいちゃするとか、絶対ない。
かといって…自分から擦り寄るとかありえないし。




そこで、名無子さんは考えたんです!
クラウドに嫉妬させてみよう!…と。





‐‐‐‐‐‐




『てな訳なんだ!レノ、ルード、頼むよ!』


両手を合わせながら頭を下げ、二人の協力を試みる。


まずはプラン1。
ガラの悪い怖〜い人たちに絡まれている名無子さんをクラウドに助けさせてみよう!


すると、返事は案外簡単に戻ってきた。

「まあ、別に構わないぞ、と。俺達はどうしたらいいんだ?」


『そうだな、とりあえず二人ともこれで変装して』

そういってレノ達に紙袋を手渡す。
だが、紙袋を除いてみたレノは顔をしかめた。



「…………これって…変装も何もマスクとサングラスだけじゃねぇか、と」

『いいんだよ、顔が隠れれば』

「いいのか、それで本当に!?」

口癖の「〜、と」の台詞を忘れるほどの渾身のツッコミをスルーし、名無子は話を進めていく。




『で、武器持って…あ、ルードは構えでいーや』


「…それで、どうするんだよ、と」





『うん。それで私を襲え!』





「はぁ!?」
「……!?」



名無子のまさかの爆弾発言に二人はかなり驚いた様子。


『金目のもんだせ!みたいなノリでさ、まあとりあえず殺す気で来てよ』




「あ、ああ…そういう意味か…俺はてっきり…」


『ん、何が?』

「いや、こっちの話だぞ、と」



『…そう、じゃ、クラウドが来るまで待つぞ!
奴が来たらさっきの通りな!』


「了解、と」
「……ああ」



‐‐‐‐‐‐


数分後



『来た!じゃ、二人とも頼んだよ!!』


名無子の言葉に二人が頷くと、さりげなく道に飛び出した。

そして少しするとレノ達も飛び出し、名無子を囲む。



「おい!嬢ちゃん!金目の物をよこしな!さもなくば命はねぇぞ!……っと(棒読み)」

『キャー!誰か……!た、助けて!!!(迫真の演技)』


激しい自演をし、通りかかるクラウドをこちらに気付かせようとする。
すると、期待通りクラウドはこちらに視線を送る…がすぐにそっぽを向いてそのまま通り過ぎようとする。


え、てかなんで!?
絡まれてんのが私って気付かなかった!?



『あ、クラウド!ちょうどいいとこに!助けてー!』


負けじとクラウドに自ら声をかけるが、このあとクラウドは信じられない言葉を発する。







「…そんなやつらなんか名無子一人で楽勝だろ?」




『…………は?』





固まる名無子をよそにクラウドはさっさかと通り過ぎてしまった。



なにあれ。
あれが彼女に対する態度?
普通あそこは必死になって助ける感動の場面だろ!?


クラウドの背中が見えなくなるまで固まったままプラン1は呆気なく失敗に終わった。





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