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FF7short
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「名無子、起きて」

『う、う〜〜ん…』


寝ている私をしきりに揺すっているのはチョコボ頭で有名なクラウド君。

仕方なく起き上がり薄く目を開くと外は薄暗く、早朝だということを物語っていた。

『今、何時…?』

「4時だ」

思わず顔を歪ませてしまった私を誰が責められよう。

…彼はこんなに早起きだっただろうか?
いつもなら私の方が起きるの早いし、コイツを起こすのも私の役目のハズなのだ。
ま、いつも仕事であまり帰ってこないけど。

なのに今日のコイツときたら…何?雨とかじゃなくて矢でも降るの?


「でかけるぞ」

『………は?』

「急がないと時間がない」


そういってクラウドは私の手をひっぱり外に連れ出す。

『ちょま、私部屋着…!』


Tシャツに短パンという超ラフな恰好に対してクラウドはしっかりいつもの服に着替えていた。

だがそんなこと気にするなとでもいいた気に、私の言葉を華麗にスルーすると外に飛び出してフェンリルに跨がった。

私も後ろに乗せられ、フェンリルは発進した。



‐‐‐‐‐‐



『ねぇ、何処いくの?』


「…着いた」

『…へ?』


思ったより早いご到着に少々間の抜けた声を出してしまった。

フェンリルを約10分ほど走らせ、着いた場所は森林の目の前。

その中にクラウドは無言でずんずん進んでいく。
私も慌てて進んでいくと、森を抜けて湖の前にでた。


「…時間ジャストだな」

『何が?』

「…今にわかるさ」

そういってクラウドは時計を取り出し、10秒からカウントダウンを始めた。

すると景色が一瞬暗くなり、まただんだん光を帯びてくる。



「3……2……1……」






『……わぁ…』






カウントダウン終了と同時に現れたのは、

とても優しい光を放ちながらだんだんあがってくる朝日。
それと同時に湖に朝日が反射し、絵に描いたような絶景がそこにあった。


『綺麗……』

「…仕事の途中に見つけたんだ。どうしても…名無子に1番に見てもらいたくて…」


その言葉に振り向けば、朝日に負けないくらい顔が真っ赤で…綺麗なクラウドの横顔が目に入った。

少しして、名前を呼ばれてクラウドにあるものを渡された。

それはとてもカラフルでふわふわしていて、甘い香りのする小さな小さな



花束



受け取った私は放心状態。今日は誕生日でもなければ記念日でもないのだ。

私の思考が読めているらしく、クラウドは私の抱いている疑問に答え始める。

「その、いつも仕事で中々会えないけど…本当に、名無子が好きなんだ。
だから、大袈裟だけど笑わないで…受け止めて欲しい」

さらに顔を赤らめるクラウド。
そんな彼に私は胸がいっぱいになってしまった。


帰ってこなくたって私も貴方が大好きなのに。


この込み上げる気持ちが愛じゃないなら何が愛かわからない程…。


『クラウド…』

私は黙ってクラウドに抱き着いた。
するとクラウドも黙って抱きしめてくれた。


『ありがとう…』

いつになく素直に気持ちを伝えればもっと抱きしめる力を強めた。

私もクラウドが凄く…大好きだよ。

だから、ずっとずっと…



そばにいてね?



End


‐‐‐‐‐‐

ImageSong
Superfry:愛を込めて花束を

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