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12 久々に外にでて深呼吸する名無子。 なんかずーっとゴロゴロしたりＬにちょっかいだしたり… ダメ人間まっしぐら生活送ってたしなぁ〜 欲を言えばバイトとかしたいけど、履歴書とかきっと面倒な事になるだろうし… せめて邪魔しないようにたまには外で時間潰さないとね！ まぁお金もないし、行った事ない場所にもいけないし 暇な事には変わりはないんだろうけど。 とりあえず持ってきたウォークマンで曲を聞きながらぶらぶら歩く事にした。 しかし案の定すぐ街をまわりつくし、結局暇になってしまう。 まだそんな時間たってないし… 足も疲れたわ… どっか休めるとこないかなぁー 『あ、そうだ。公園。』 公園ならベンチもあるし、運が良ければ退屈しなくて済むかもしれない。 思い立った瞬間すぐに公園の方へ歩きだした名無子。 公園に辿りつき、そばにあったベンチにへたりと座り込む。 周りに人はいない。 期待も虚しくここでも暇な時間を過ごす事になった。 『せめて子供や犬がいれば…』 一緒にはしゃぎ回れたのになぁ 座ったまま刻々と時間は過ぎ、心地よい日差しと風に負けて、眠ってしまった。 ＊＊＊＊＊ 「…遅い」 時計をふと見てみると、短針は6時をさしていた。 どうも嫌な予感がよぎる。 彼女の事だ。 迷っただけ、忘れているだけなんてことも十分ありえる。 しかし、そんな簡単に約束を破るようには思えない。 適当なところはあるが他人の事をちゃんと考えられる人だ。 元の世界へ？ 来たときは唐突だった。 帰りもそうかもしれない。 …………………。 …………。 「ワタリ、少し出てくる。」 「…かしこまりました。」 行き先はだいたいわかる。 一緒に散歩した時に公園を気に入っていた。 暇を潰すにも公園くらいしかないだろう。 ＊＊＊＊＊ 『ん………あれ』 目が覚めるとあたりはだいぶ暗くなっていた。 そうか私寝ちゃったのか… 『あー、やっべ…』 Ｌには夕方には戻れと言われている。 公園にある時計を見ると6時くらい。 ま、まだ夕方の範囲内だよね…！ 私は立ち上がり、服のしわを伸ばしてホテルに戻ろうと歩きだす。 ……が 後ろから肩を掴まれ、阻止されてしまった。 「彼女〜 彼氏にデートでもすっぽかされちゃったぁ？ さみしいなら俺らと遊ばな〜い？」 振り返ってみるとむっさい顔にグラサンした男が私の肩を掴んでいた。 「俺、渋井丸拓男。 略してシブタク。へへっ楽しい事しようぜ〜」 「あ、タクさん、またイイ女見つけました！？」 「あれ、でも普通っすね。後姿に騙されたクチか？」 「さみしがってんのよ、遊んでやろうぜ。」 いつのまにか数台のバイクに囲まれてしまい、男達はゲラゲラと下品に笑いだした。 ナンパ？ さみしがってる？ わたしがか？ 普通で悪かったな なんだか怒りを通り越して無心になれそうだ… 「この女目つき悪いっすねー、なに？俺らゴミ？みたいな？」 「いいじゃねーの、そういうの嫌いじゃないぜ〜」 「ドMかよ」 ゲラゲラゲラゲラ… ゲラゲラゲラゲラ… 付き合いきれん… 『ははは…はは… 私いそがなきゃいけないんで、他当たって下さい』 そう言って、バイクの隙間を縫って帰ろうとする が、 「まってまってねーちゃん、ちょっとくらいいいだろー？」 腕を掴まれ、引きもどされてしまった。 あぁ…もう… 『あんたらなぁ…いい加減に…』 「おっと勘違いされちゃ困るぜ？」 首に刃物を突きつけられ、事態の深刻さがようやくわかった。 「いい加減にー、なに？」 『は、ははは…はは…は…』 額や背中に冷や汗が伝う。 「金目のもん持ってないみたいだし？ 遊んでくれるだけでいいって言ってるんだよ？ おねーさんに拒否権とかないのよ」 まずい、 非常にまずいことになった。 口をふさがれ、服に手をかけられてしまい私はとにかく必死に体を動かした。 『むぐ……！！』 「おー暴れてる暴れてる」 「頑張っても身動きできないとかかわいい〜」 どんなに暴れても身動きできず、がっしりと捕まえられている。 やだやだやだやだやだ 絶対にいやだ こんなやつらに遊ばれたくなんかない！ 「いってぇ!!!このアマぁ…!!!!」 口を抑えていた男の手を思いっきり噛みついてやった。 それはもう 肉をえぐりとる勢いで。 逆上した男はナイフを振りかぶる。 私、死んじゃう？ 止まれ… 止まれよ… 『…………っ！』 止まれ………………!!!!! ［*前へ］［次へ#］ [戻る]  |