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ヒメゴコロ
2
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更に二日目たった朝。

部活の朝練を終えた司が私の元へ小走りでやって来た。


「蘭、話があるの。」


沈んだ声で言う司に私は黙って頷いた。
司にジャージの袖を引っ張られながら教室を出ると、司は廊下の壁に寄り掛かって俯いた。


「司、どうしたの?」

「……あのね、由香里が部活に来ないんだ。」

「え?学校まだ休みなの?」


三日前は休みだったと聞いた。まだ、休んでいるのだろうか?


「わかんない。でも休む時は連絡してって言ってあるのに…。」


何にも連絡がないんだ、と目を伏せる。


「何か、蘭は由香里から聞いてない?」

「いや、何にも聞いてない。どうしたのかな。」

「…わかんない。今日、由香里の家に後輩の子と行こうと思う。ちゃんと話したいから…。」

「…わかった。何かあったら教えて。」


そう言うと司はコクリと頷いた。





******



次の日。
朝練を終えた司が教室に入って来たを見て、私は彼女に駆け寄った。


「司、今日由香里は部活来た?」


そう尋ねると司は机にカバンを置いて、首を横に振った。


「…来なかった。」

「そっか…。」

「………蘭、廊下行こ。」


私は頷き、廊下に出た。


司は昨日のように壁に寄り掛かり、下を向く。


「…司、昨日はどうだったの?由香里の家、行ったんだよね?」


優しめの声色で問い掛けると、司はぽつりぽつりと話し出した。


「行ったよ、部活の後、みんなで。けど、会ってくれなかった。家にすら入れてもらえなくて……由香里、絶対家にいたのに…。」


今にも泣き出しそうに顔を歪める司にかける言葉が見つからない。
私は唇を噛んだ。


「司、今日は私が電話してみる!何かわかったら教えるから、ね?」


だから、だから


悲しそうな顔、しないで…


もう、君の悲しそうな顔は


見たくないの…。



「だから心配しないで!」


そう言って私は司に笑いかけた。






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あきゅろす。
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