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ヒメゴコロ
悪い予感

「この写真すごいいいね!私これ買う。」


そう言って私の横で写真を選ぶ遥ちゃん。私は悲しい気持ちに蓋をして写真選びに集中した。





由香里はいいなぁ。
誠君と写った写真が堂々と買えるんだから。




そう思った事を後悔するのはもう少し後の話になる。



******



六月。

私達テニス部はテニスの大会に来ていた。
この大会で勝てば次の大会へ。負ければ部活即終了だ。試合は三ペアしか出られないため、弱い私や瑠奈は応援にまわった。

しかし、あっさり負けて、実感もないまま私達は部活を引退することになった。


司達女子剣道部は優勝し、次の大会に進むことになった。笑顔で報告してくる司に私は頭をポンポンと撫でながらおめでとうを言った。







その数日後のとある大雨の日。
私は由香里と書いている交換ノートを彼女に渡すため三組に行った。しかし教室をいくら見回しても由香里がいない。

なんでいないんだろう?
どうしたんだろう?

不意に不安にかられ、私は教室にいた綾香ちゃんを手招きしながら呼んだ。


「綾香ちゃん綾香ちゃん!」

「蘭、何?どうしたの?」

「由香里に交換ノート渡そうと思って。由香里は?」

「あぁ、由香里なら休みだよ。なんならそれ、私が机の中に入れといてあげようか?」

「本当?じゃあお願いします。」


そう言って綾香ちゃんにノートを渡す。



《ピカッ!ゴロゴロゴロ!》


黒い雲の間に黄色の雷が見える。




いっそう強くなる雨に私は眉をしかめた。





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あきゅろす。
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