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ヒメゴコロ
8
つい大声でツッコミそうになったが必死に抑える。みんな寝てるし。


「…なんか話して。」

「いや、なんかって言われてもなぁ。」

「じゃあさ、好きな人の話しよ。蘭はどういう人がタイプ?」

「え?そ、そうだな…。」


定番なお題だな、と思いながら考える。

好きなタイプ、か…。


父とは正反対の"本物の優しい心"を持った人。


誠君のような…優しい人。



「…優しい人、かな。」

「優しい人?他は?」

「え、他!?」


今一緒懸命考えたのにサラッとスルー!?スルーなの!?しかも他とか、わかんないんだけど!

誠君みたいな…とか言えないしなぁ。


「…んー背の高い人かな、やっぱり。」

「背の高い人か。いいよね、てか背伸びしてチューとか憧れる!」

「そうそう!いいよね。じゃあさ、司は?」

「あたし?あたしはね…」


司はニヤリと笑い布団の間から腕を出す。


「筋肉!ここのさ、筋とかスッゴく好きなんだよね!蘭もそう思うでしょ!」

「いやいやいや、わかんないんだけど。」

「え〜いいじゃん、筋肉!もうすっごい興奮する!翔君の腕とか触りたい!」

「翔君?私と同じ班の?」

「うん、いいよね!あの腕!いい筋肉!」


えへへ〜と言ってニヤニヤする司の頭を軽く叩く。


「おいおい…ほら、そろそろ寝るよ。」

「うん、おやすみ蘭。」

「おやすみ。」


そう言って目を閉じる。



しかし、司との会話で逆に目が冴えてしまった私の脳裏に浮かぶのは今日見た誠君の姿だった。




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あきゅろす。
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