ヒメゴコロ
7
「え!何、どうしたの!?蘭大丈夫!?」
私の大きな声にみんなが心配して声をかけてるく。
私はつい苦笑い。
「あ、いやゴメンゴメン。豆腐が落ちそうになって。」
そう言いながら今度はしっかり挟んだ豆腐をよく見えるように持ち上げた。
「もぉ〜びっくりしたじゃん!驚かせないでよぉ〜。」
「いやぁ〜ゴメンってば。」
そう言って笑うと周りも、そして隣の百合ちゃんも口元を緩めクスクス笑う。
その勢いで私は「百合ちゃんも食べよ!」と言って箸を持たせ、すき焼きを食べさせる。
はにかむように笑う百合ちゃんを見ながら私は心の中でガッツポーズ!
一人攻略完了!
司は大丈夫かな?と思い顔を上げると、ちょうど説得し終わったところだった。
私は小皿のすき焼きを全て食べ、司と部屋を後にした。
あのくらいの喧嘩なら私の手にかかればちょろいもんだ。普段から喧嘩ばかりしていた両親を死に物狂いで止めてきたんだから。
後は向こうだけでなんとかなるだろう。
部屋に帰ってからまたすき焼きを食べたが、結局全ては食べられなかった。
それから布団を敷き、トランプゲームをしてから就寝……のはずだった。
スースー寝息が聞こえる中、クイクイと服の袖を隣の布団に寝ている司が引っ張ってきたのだ。
「…蘭、寝た?」
「起きてるよ、どうした?」
「寝れない…。だからさ。」
「うん。」
「…あたしよりも、先に寝ないで。」
……………何それ、理不尽!!!
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