ヒメゴコロ
4
「へ?蘭!わ、びっくりした!蘭達も来てたんだ!」
「そうなのっ!」
「あれ!?蘭じゃん!奇遇〜!」
そう言って綾香ちゃんがこちらに小走りで近づいてくる。
由香里と誠君に気を取られて気がつかなかったが、綾香ちゃんは亮君とおさい銭をあげていたらしい。
「あ、お守り買わなきゃ。時間ないよ?」
「え、マジ!?買お買お!」
遥ちゃんに促され、お守りを買う。
岡ちゃんは由香里達のタクシーの背の高い運転手さんと話をしている。知り合いらしい。
するとお守りを買い終えた私達に気づき、岡ちゃんがこちらに走ってきた。
「せっかくだからみんなで写真撮ろう!」
「え、本当ですか?」
「今、向こうのタクシーのおじさんとも話して来たら。」
「はい!」
私は元気よく返事をし、遥ちゃんと少し離れたところにいる由香里達に駆け寄った。
「えーと、どのカメラで撮ればいいんだ?」
「これでお願いします。」
背の高いタクシーの運転手さんに亮君がカメラを渡す。
「うーし、撮るぞぉ!」
私は遥ちゃんと由香里と綾香ちゃんとくっついて笑顔を向ける。男子は少し離れたところに並んでいる。
「はい、チーズ!」
《パシャ》
遥ちゃん、由香里、綾香ちゃんとの写真。
そして、誠君との写真。
その一枚が、とってもとっても
嬉しかった。
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