ヒメゴコロ
3
※ここから外人さんの英語の台詞は『』で日本語に訳しておおくりします。
――――――――
『何故あなた達は写真を撮るときに「おっぱっぴー」って言うんですか?』
金髪美女が首を傾げ、尋ねてくる。
しかし英語のわからない岡ちゃんは「え?えぇ?」なんて言いながらどぎまぎ。
そんな岡ちゃんを見た外人さんは質問を変える。
『「おっぱっぴー」って何ですか?』
『写真を撮るときに言うのは何故?「はい、ピース」とかじゃないの?』
後ろにいた外人男性も身を乗り出して聞いてくるが、やっぱり岡ちゃんはオロオロしっぱなし。
そんな岡ちゃんが言った一言は
「あ、アイ キャント スピーク イングリッシュ。」
だった。
発音はイマイチだけど喋れてるよ、岡ちゃん!
あまりにも岡ちゃんが涙が出るくらいおかしくて、笑いが止まらなかった。大介君が大笑いしていたのがわかる気がした。
それから曖昧に外人さんとの会話をすませ、金閣寺、そして北野天満宮へ。
今年私達は受験生。だから天満宮様のご利益にあやかるため、お守りを買わなければならない。
タクシーを降りるとそこにはもう一台のタクシーが止まっていた。
私達の乗っているタクシーと同じタクシーで、三組一班と貼り紙が貼ってある。
あれ?三組一班?
そういえば由香里達は何班だっけ?
一班、だったかな?あれ?と首を傾げる。
もしかしたら…なんて希望を抱きながら早足で先に進むと、売店でお守りを買う二人の修学旅行生の姿があった。
短い焦げ茶色の短髪の学ラン男子、
長い髪を後ろで一つに束ねたセーラー服姿の女の子。
誠君に由香里だ!
「由香里!」
私は大きく手を振り、駆け寄った。
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