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ヒメゴコロ
2
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ワイワイガヤガヤ


給食の時間だ。

音楽の授業を終えた私達は班ごとに机をつけ、お昼を食べている。
しかし、私の隣と後ろの二人は違っていた。


「「ジャンケンポン!」」

「あ!また負けたぁ!」

「はっはっは!俺には勝てねぇよ!」


なんて騒いでいるのは来栖さんと龍一君。何故か二人はずっとジャンケンをしている。


「「ジャンケンポン!」」

「え、嘘!また負けた!なんで!?」

「お前が弱いんだよ。」

「えー!?いいもん、私遥からパワーもらうし!遥ぁー!」


そう言って来栖さんは少し離れた席にいる遥ちゃんに手を伸ばし、握手する。


「じゃあ俺も。春樹!春樹!」


今度は龍一君が隣の班の春樹君に手を振る。春樹君はめんどくさそうに軽く手を振った。

龍一君はものすごく嬉しそうに顔を綻ばせている。

いや、いいよ?微笑ましいよ?でもジャンケンと関係ないよ?つかパワーなんかもらえないよ?と思いながらサラダを口に運ぶ。



そして準備が出来たらしい。


「「ジャンケンポン!」」


来栖さんがグーで龍一君がパーを出している。


「あーまた負けたぁ。」
「おっしゃあ!」


来栖さんはガッツポーズをしている龍一君を見ながらプゥと頬を膨らます。


「いいもん!私も春樹君からパワーもらうから!」

「な!駄目だ!春樹は俺のものだ!」






























……………………………え?







ええぇぇぇえええええ!!??

何それぇぇええ!!??






お、おおおお俺のものだとぉおおぉぉおおお!?






まままさか、まさか私物発言!?


もしや、いや、マジでこれは…


龍一君×春樹君!?




ちょ、一見鬼畜眼●の克哉のような龍一君とクール系で笑うと実はかわいい春樹君とか何それ萌えぇえ!!!


脳内での妄想についにやけてしまい、忙いで口をジャージの袖でおさえる。


や、やばい…野菜が噛めない!食べれない!



私はニヤニヤしないよう必死に呼吸を整え、なんとか給食を口に突っ込んだ。

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