アンダーベベル 2 ルブランが自室に戻るのを見届け行動を開始しようとするが、今度はウノーとサノーが現れる。 「ヌージの野郎が来てる時は、別人だなぁ、お嬢って」 「慣れない猫かぶりで、肩がこってる頃だろうよ。おい、そこのお前」 「は、はい!」 サノーに指を指され、ユウナは慌てて一歩前へ出る。 「お前、お嬢の部屋に行って、いつものアレを頼むぞ」 「あの・・アレって?」 「マッサージだよ。お嬢の疲れを癒して差し上げるって訳さ」 ウノーが両手で肩を揉む仕草をする。 「頼んだぞ」 「あ、はい」 2人は何やら相談しながら屋敷を出ていく。 「ユウナ、探してくるから時間を稼いで」 「もう・・」 仕方なく、ユウナはルブランの部屋へ向かう。 「失礼しま〜す・・」 恐る恐る入ると、ルブランは壁に掛けられた等身大のヌージの絵をウットリと見ていた。 写真に投げキッスをすると、ベッドの俯せに寝る。 「それじゃ、頼んだよ」 ユウナはルブランの背にまたがると、肩や背中をマッサージする。 「は〜そこそこ・・いい感じだよ・・・あんた、この間は下手くそだったけど、急に上手くなったねぇ」 「そ、そうですか?」 ルブランに褒められ、満更でもない気持ちになる。 「・・ホント、いい男だよねぇ、ヌージのダンナってさ・・・ぶっきらぼうなんだけど、時々見せる笑顔がたまらないんだ。あたしゃ、あの顔が見たくてスフィアハンターやってるようなもんさ。あの人が喜んでくれるすんごいスフィア、どっかにないもんかねぇ・・・」 この時、ユウナの好奇心が疼く。 「あの・・ヌージさんて、アヤさんーーじゃなくて伝説のガードのアヤと何かあったんですか?」 「あぁ、アヤかい?ヌージのダンナが言うには、『アヤに迫ったけど、振られたんだ』とさ」 「そうなんですか・・」 「あんないい男を振るなんて、アヤもバカだねぇ。でも、ヌージのダンナもーーー」 「ヌージさんも?」 何も言わなくなったルブランの顔を覗き込むと 「寝ちゃった・・・名人?」 思わず発見した特技に、ニンマリ笑う。 そっとベッドから降り、部屋を出ようとすると、サノーとウノーが入ってくる。 「お嬢、寝ちまったのか。マッサージの後はいつもこれだ」 「大事な話があるから、待ってたのにな」 「起きるまで待つか。おまえ、今日の仕事は終わりだ。もう下がっていいぞ」 「は、はい!失礼します」 お辞儀をして出ていく。 「なんだ、ずいぶん礼儀正しいな。あんなヤツいたっけか?」 ルブランの部屋を出ると、とりあえず1階へ戻る。階段を降りきったところで、ユウナはルブランの部屋を見上げた。 でも、ヌージのダンナもーーー 「まだ、アヤさんが好きなんだ・・」 . [*前へ][次へ#] |