お熱いのはお好き? 4 ガガゼト山に入ると、ユウナたちはキマリを訪ねてポーションを手渡す。 「ユウナ、すまない」 「そんな、大袈裟だよ」 そうではないと、首を降る。 「ユウナのために、スフィアを探した。だが、見つからなかった。キマリは情けない」 「大丈夫だよ、キマリ。手伝ってくれるのは嬉しいけど、私の問題は、私が解決しなきゃ」 「キマリは山中を探し歩いた。まだ探していない場所は、ひとつ。御山の奥にそびえる祈り子の断崖ーーロンゾは誰も近寄らない、神聖な土地」 「うん」 「召喚士は御山を登らない。だが、スフィアハンターが来る。神聖な場所が汚されないか、キマリは心配だ」 「そのスフィアハンターのことで、キマリに頼みがあるの」 3人は代わる代わる事情を説明した。 「というわけで〜そいつら懲らしめて、もう2度とここへ来ないようにするからさ」 「わかった、協力しよう。ユウナたちなら、キマリは何も心配しない」 「やったあ」 ひとしきり話が終わると、遠巻きに自分たちを見ている若いロンゾに視線を送る。 若者たちの中心にはガリクがいた。それに気づいたキマリは悲しい顔をする。 「ロンゾの若者は、グアドへの復讐を諦めない。キマリは戦を防ぎたい。しかし、知恵がたりない」 「自分で考えなきゃ」 「キマリもそう思っている。長老が誰かを頼ったら、その者は長老に相応しくない」 「そこまで思い詰めなくても、大丈夫だよ」 「ユウナ、すまない。キマリの肩は、少し軽くなった」 キマリと別れ、一度セルシウスに戻ると、アヤからの連絡を待った。 暫くすると、ルブラン一味がガガゼト山を登り始めたと一報が入り、山頂付近までセルシウスで 先回りする。 「アヤが言っていたのはこの先かーーー」 予め説明されていた場所に着いた。ガガゼト山の、洞窟に入る前の登山路の崖の向こうに目的地があるらしい。崖を見て、リュックは悲鳴をあげる。 「もしかして、これ登るの〜〜!?」 「ロンゾが近寄らないわけだ」 「あっ!ルブラン一味」 慌てて隠れると、ルブランの手下たちは、ユウナたちに気づかずにヒョイヒョイと崖を登っていく。姿が見えなくなると 「猿か、アイツら」 パインの呟きに2人は吹き出す。 「ユウナ」 「アヤさん!」 「しっ、私たちも行くわよ」 アヤも合流し、目的地へ向かう。道々、ロンゾ族の話になり、ガリクが聞こえよがしに言っていたことを伝える。 「若きロンゾは力を蓄え、憎っくきグアドを討ち滅ぼす。殺められた我が一族の、仇を取ると御山に誓った!鍛え抜かれたロンゾの技で、最後のひとりまで戦う」 アヤは、消沈していたトワメルの姿を思い返す。 「キマリの説得に、応じてくれればいいんだけどね・・・」 「はい・・・」 . [*前へ][次へ#] |