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鋼の錬金術師
帰郷6

アルフォンスに見送られて、エドワードとマリーゴールドは、ロックベル家をあとにした。
訪れた時に歩いた道の先を、肩を並べてのんびり歩く。
時折、ついて来たロックベル家の愛犬デンが、マリーゴールドに纏わりつく。

「デン!もうっ!」

ワンッワンッ!

「あはははっ!」

デンと戯れながら、小走りに走っていった。
すると、道から少し外れた場所で、マリーゴールドがしゃがみ込んだ。
エドワードは立ち止まる。


「お〜い、マリィ…何してんだ?」

しゃがんだまま、彼女は振り返った。

「キレイなお花が咲いてたから、エドのお母さんに」

彼女の気付かいに、フッと微笑んだ。

「…そっか‥サンキュ」

花を手にしたマリーゴールドと、また歩き出す。

「あのね、私と同じ名前の花があるの」

しばらくすると、少しくすぐったそうに、マリーゴールドは話し出した。

「ヘェ…そうなのか?」

「正確には、花の名前からつけたんだって。お母さんが」

道から外れた場所に、墓地が見えた。

「どんな花なんだ?マリーゴールドって」

「黄色とオレンジ色の小さい花だよ。公園とかに、沢山植わってる。丈夫なんだって」

その墓石を、どこか淋し気に、マリーゴールドは見た。

「逞しい花か?そっくりだな」

ニッと笑うエドワードに、マリーゴールドは頬を膨らませる。

「もお〜〜エド〜〜!!」

「ははっ、悪イ!ホントのこと言って」


マリーゴールドの怒った顔に、エドワードの頬が緩む。






―――母さんの前でこんな風に笑うの、久しぶりだな




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