[通常モード] [URL送信]

鋼の錬金術師
疑念01

翌日、3人が司令部を訪れると、すぐにマスタングの執務室へ案内された。

「エド、目が赤いな。眠れなかったのか?」

顔を見るなり、ホークアイと共に部屋にいるハボックが心配そうに言う。

「あ、あぁ、まあ……」

気遣いに感謝しつつ、エドワードは目を逸らす。

「マリィちゃんも、元気がないわね……」

ホークアイも、マリーゴールドを気にかける。
そういうハボックとホークアイも、夕べの事件であまり眠っていなかったのだが。
実は、エドワードも夕べ殆ど一睡もしていなかった。
というのも












ホテルに送ってもらった3人は、部屋を2つとった。
ひと部屋はマリーゴールドが。もうひと部屋は、エドワードとアルフォンスが使用した。
砕かれた部分を布で覆われたアルフォンスは、ドアの近くに座っていた。
マリーゴールドと食事を済ませたエドワードは、といっても彼女は殆ど手をつけなかったが
シャワーを浴びた後、早々にベッドに潜り込んでいた。
だが、眼が冴えてなかなか眠ることが出来ない。
ベッドの中で、何度も寝返りを打った。

「……兄さん…眠れないの…?」

「…あぁ。アイツ…なんで国家錬金術師を狙うんだろ」

「大佐たち、何も教えてくれなかったね」

「うん…………」


失った身体を取り戻す為に、危険な場面に遭遇する事もあった。
恨みを買うこともあった。
だが、命を狙われる心当たりはない。
ふたりは沈黙した。その時――――



コンコン

小さくドアをノックする音が聞こえた。


「‥?誰だろう。ルームサービスは頼んでないよね」


コンコン


また、ノックした。

「はいはい、いま開けますよ」

仕方なしにベッドから降りた。

「なんか用?」

不機嫌な顔で、エドワードはドアを開けた。

「マリィ!?」

「マリィ?」

アルフォンスは、エドワードを見上げた。




.

[*前へ][次へ#]

24/30ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!