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鋼の錬金術師
東方司令部01

「入りたまえ」

ノックをすると、重厚な扉の向こうから声がした。
エドワードは、厚い扉を押す。
窓の外は、案の定、雨が降り始めている。
入って来た2人を見て、マスタングと話していた眼鏡を掛けた長身の軍人が、手を上げた。
エドワードは、嬉しそうな声を上げる。

「あれ?ヒューズ中佐!」

「よっ、久しぶりだな!」

「セントラル勤務の中佐がいるなんて‥どうしたんですか?」

エドワードとアルフォンスは、マスタングの前に移動した。

エドワードが中佐と呼んだマース・ヒューズは
マスタングの士官学校からの友人でありイシュバール戦線を、共に戦い抜いた戦友でもある。
普段は、セントラルの軍法会議所に勤務している。

「任務以外の用事で、この親バカが此処まで来るわけがなかろう」

何故か、ウンザリした顔でマスタングは言った。

「当然だ。俺ぁ一刻も早く、娘の所へ帰りてぇ」

子煩悩なヒューズの発言に慣れているのか、さして気にも止めずに、エドワードは先を促した。

「で、俺たちを呼びつけた理由は?ヒューズ中佐もいるってことは、その任務に関係した話なんだろ?」

「いや‥君たちを呼んだ理由と、ヒューズの任務とは別の話だ。逸れより、彼女はどうした?」

2人の後から入って来ないことに、怪訝な顔をした。

「今、ホークアイ中尉と一緒」

エドワードが扉を見ると、アルフォンスも頷いた。

「だいぶ落ち着いてましたから、心配いらないと思います」

「そうか‥ヒューズ、すまなかった。続けてくれ」

気に掛かることはあったのだが、今は任務が先だ。
マスタングは、ヒューズを促した。

「あ?あぁ…」

ヒューズは、改めて2人に向き直った。

「実は、おめぇらに話しておきたい事があってな。
先ずは、俺の話を聞いてくれ」





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あきゅろす。
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