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鋼の錬金術師
テロリスト03


人混みを掻き分けて、人気のない裏路地に入る。
進んで行くと狭い路地に、見るからに胡散臭い男が3人屯っていた。皆、屈強そうだ。
その中の1人が、エドワードたちに気づいた。

「ん?なんだ、おまえら?」

振り向いて凄んだが、エドワードはお構いなしに近寄る。

「ねえ、ちょっと聞きたいんだけどさ。こっちに、怪しい男が来なかった?」

「怪しい男?俺たちは忙しいんだ。遊ぶなら、他の場所に行け」

けんもほろろに断られるが、マリーゴールドは食い下がる。

「右目に、眼帯をした人なの」

一瞬だけ見えた、黒い眼帯。驚きも何もない、無表情な顔。

「多分、こっちの方に来てると思うんです」

「そいつ、軍の車を爆破した、犯人かもしれねーんだ」

エドワードの推察に、男の顔色が変わる。後ろの男たちも、3人を睨みつける。

「‥!?コイツら…バルドを追って来たのか!?」

男の呟きに、耳をそばだてる。

「え?何だって?よく聞こえないんだけど」

聞き返すエドワードに、男はわざとらしくため息をついた。

「可哀相に。余計なことに、首を突っ込んだばかりになあ…」

それを合図に、男は銃を取り出した。後ろはナイフだ。

「わわっ!?に、兄さん、この人たち武器を!!」

「さっきの爆発といい、コイツといい。イーストシティも、随分物騒な街になったもんだな」

エドワードは、右手でマリーゴールドを背中に庇う。

「お前らを、このまま行かせるわけにはいかない。悪く思うなよ、小僧!!」

向かってくる男たちの前で、エドワードは両手を合わせた。
すぐ傍にある、使い棄てられたドラム缶に手を着ける。すると、ドラム缶が錬成反応の光に包まれた。


“ゴンッ!!”
“ゴンッ!!”
“ゴンッ!!”


甲高い音が、路地に響く。
脳天にタライの直撃を食らった男たちは、気を失い倒れた。





「コイツら誰だ?急に襲って来やがって」

腕を組みながら、エドワードが言った。アルフォンスは、兄を見下ろす。

「眼帯をした人のことを尋ねたら、襲って来たし。やっぱり、仲間じゃない?」

2人は、話しながら歩き出す。
マリーゴールドは立ち止まったまま、エドワードに尋ねる。

「エド。この人たち、このままでいいの?」

指差す先には、のびている男たちがいる。エドワードは顔だけ向ける。

「ま、当分は気絶してるだろ。それより、あの男を探そうぜ。まだきっと、この辺にいる筈だ」

「うん」

今度は邪魔だって、言わないんだねーー


嬉しそうに後を追った。



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