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鋼の錬金術師
  03

パンッという、手を合わせたような音に、エドワードが気づいた。

「何だ?」

よそ見をしたエドワードの顔を、銃弾が掠める。

「うわっっ!!」

「兄さん!」

よろけた兄を庇い、アルフォンスが銃弾を受ける。

「何してんだよ!兄さん!」

「今、錬成反応が‥」

後ろを振り向いたエドワードの目に、剣を構えたマリーゴールドの姿が映った。

「マリィ!!」


「このおっ!!」

前から突くように迫る棒を、払うように剣で切り落とす。
用を成さなくなった棒を捨て、殴り掛かって来る信者の前に、床から巨大な拳が出現した。

「えっ!?」

「ぐはっ!!」

驚く間もなく吹き飛ばされて、頭を強かに打ち付けた。

「あらら」

そのまま気絶した信者に、マリーゴールドは目を丸くする。

「おい!」

「大丈夫!?マリィ!!」

駆け寄って来た2人に、笑顔を向けた。

「今の、2人がやってくれたんでしょ!?」

「兄さんがね」

アルフォンスが言うと、エドワードは照れくさそうに横を向いた。

「ま、まあな」

「エド、血が!」

エドワードの頬に、血が滲んでいる。
剣を床に置き、マリーゴールドはハンカチを取り出した。それを、エドワードの頬に当てる。

「だ、大丈夫だよ」

顔を赤くして拒む。
微かに笑いながら、アルフォンスは、彼女が置いた剣を手に取った。

「マリィ、君もしかして、錬金術が使えるの?」

「うん、少しね」

「でも、錬成陣は?」

マリーゴールドの周りを見渡す。
が、錬金術を発動させる為の、錬成陣を描いた様子はない。

「あぁ、この手袋の内側に描いてあるの」

マリーゴールドは、両手を広げた。


その掌には、くっきりと錬成陣が描かれていた。


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