鋼の錬金術師 私を、殺して3 「アーレンさん、この建物は・・?」 「ここは、レビスの女神を祭った神殿だな。おそらく、奥には礼拝用の広場もあるはずだ」 「同じ神殿でも、リオールの神殿とは、全く別の造りだな」 「あんなインチキ教主と一緒にするな」 焼けるような外気と違い、神殿の中は過ごしやすかった。 アーレンが言うには、厚い泥の壁と、外気を入れない構造が気温の差を作り出しているという。 けして、涼しい温度ではないのだが、ジリジリとした暑さと危機に晒されていた緊張感から、暫し解放された気分だった。 入り口から真っ直ぐ進むと、高さ3m程の石像があった。 他に目につく物はなく、5人は自然とその前に集まる。 「この石像は・・?」 「こいつが、レビス王が崇めた女神の像だ。レビスの王妃が、よく似ていると言われている」 アーレンの説明に、改めて石像を見上げる。 「きれいな人だなぁ・・」 「・・・ねえ、エド。この石像、なんだかあの女の人に似てない?」 「ん?」 マリーゴールド がそう言うと、エドワードは手を顎に置き、口を一文字にして石像を睨む。 「そういえば、どことなくーーと、そうだ。じーさん、あんた、あのねーちゃんのこと知ってたよな?」 「そうか、お前らも、王妃とエルマが似ていると思ったか・・この像を始めて見つけた時、クロウリーも同じことを言っていた」 「じーさん?」 クロウリーの名を出したアーレンの口調が、悲し気なものに変わった。 「さっき、お前らも見たあの女性な、あれは、クロウリーの死んだ恋人だ」 「えっ!?」 「クロウリーは、死んだ恋人をーーエルマを生き返らせようといるんだよ」 [*前へ][次へ#] |