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鋼の錬金術師
怪物の正体10


「マリィ、どうしたんだ、こんなところに」

「・・・わからない・・気がついたらここに・・」


起きていたアルフォンスが気づかなかったということは、気づかれないように出て行ったのではないか。

しかし、マリーゴールドは困惑した視線を泳がせる。


「この錬成陣・・・知ってるのか?」

「えっ?し、知らないよ!やだ・・なんでそんなこと言うの?」


泣きそうな顔を見て、すぐに追いつめるような質問をしてしまったことに、臍を噛む。
それでも、訊かずにはいられなかった。

この錬成陣に立つ彼女の後ろ姿が、あまりに自然だったから。


「いや・・ごめん。そんな気がしただけだ。戻ろう、アルと中尉が心配してる」

「・・・うん」

左手を差し出すと、マリーゴールドは躊躇いがちにその手を握る。

「エド・・」

「ん?」

繋いだ指先から、俯いた彼女の緊張が、微かな震えと共にエドワードに伝わる。

「あの人――ジャック・クロウリーって人・・家に何度も来てた・・・」

「思い出したのか?」

「うん。旅に出て・・エドとアルに会ってから、夢をみるようになったの。昔の――夢」

「じゃあ、クロウリーに間違いないんだな」

マリーゴールドはいま一度頷く。



赤い石と、ゴーレム

命を錬成できるクロウリーと

彼を必要とする、マリーゴールド

その3つの繋がりが、レビスの遺跡で解る。
そう確信めいたものを感じた。




To be continued.
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