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鋼の錬金術師
怪物の正体3


「お前らの言っている“怪物”ってのは、レビス文明の秘儀が生み出した“ゴーレム”っていう動く人形なんだよ」

「ゴーレム・・」

「あぁ。命を吹き込まれた泥の人形。それがゴーレムの正体だ」

「命を吹き込むって、そんなこと出来るはずが!!」

驚愕するアルフォンスに、アーレンは冷静に答える。

「それが出来るんだ。ま、秘儀っていうのは要するに、今で言う錬金術のことだがな。
お前らも錬金術師なら―――」

「錬金術師!?兄さん!」

「あぁ・・そうか、わかってきたぞ・・・
その古代のゴーレムってのを、今でも造ってる大バカ野郎が、さっきのヤツってことだな、じーさん」

「フン、物分りの早い小僧だな」

アーレンは鼻を鳴らした。

「そうだ、その通りだ。ヤツのことが知りたいと言ったな。
あの男の名は、ジャック・クロウリー」

「ジャック・クロウリー・・・」

探していた人物の名を、マリーゴールドは復唱した。

「50年程前、俺と一緒にレビス文明を研究していた。
俺の・・・親友だった錬金術師だ」

「親友って・・50年前って・・さっきの人は――」

どう見ても、20代の青年としか思えない。
一方アーレンは、そろそろ初老を迎えようという外見だ。

「そうだな、年をとってねえ。ヤツの姿は、50年前と変わらなかった。一体何故だ?」

「よく似た別人だった――ということは?」

「そーいや、あの男。グロースターさんのこと、知らない感じだったっけ」

手当てが済んだホークアイが、アーレンを見る。その意見に、ハボックも思い出したように言った。。
それを聞いたマリーゴールドが

「でも、アーレンさんの名前には心当たりがあるようでした」

アーレン・グロースターと云う名とジャック・クロウリーと云う名の人物が、もう1人ずついるとは考えづらい。

「あいつのことは、俺がいちばん良く知っている。あれは、クロウリーに間違いない」

「間違いないのはいいとして、とても普通の人間には見えねえけどな」

「・・・・・」


確かに――――50年前と変わらぬ姿といい、突然、土中から現れ、また忽然と消える。
どう考えても、人間の所業とは思えない。





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