鋼の錬金術師
怪物の正体1
「ところでハボック少尉。あちらの方は?」
「あ、はい。この村の住人のアーレン・グロースターさんっス。俺が保護できたのは、グロースターさんだけです」
ホークアイは、立ち尽くしているアーレンに近づいた。
「東方司令部の、リザ・ホークアイです。ご無事でなによりです、グロースターさん」
・・
「フン!なにが無事なもんか・・・」
アーレンの語尾が震える。
恐らく、村人を救えなかったことを言っているのだろう。
心中は察するが、今は、感傷に浸っている余裕はない。
「あなたの他に、生存者は?」
「わからん・・・が、多分いないだろう・・・」
そこへ、エドワードとアルフォンスが戻って来る。
「なあ、あんた!さっきのヤロウを知ってるのか!?アイツは誰なんだ!教えてくれ!!」
「なんだ、この小僧は?」
掴みかからんばかりに詰め寄るエドワードを、不思議そうに見下ろす。
「彼は、国家錬金術師のエドワード・エルリック君です。隣は、弟のアルフォンス君」
「錬金術師?こんな小僧が?」
「教えてくれ、一体奴は何者なんだ!姿を消したり、突然現れたり・・どう考えても、ただの人間じゃねえ!」
「小僧・・あいつと何かあったのか?」
自分を見る探るような眼差しに、エドワードは確信する。
「やっぱり知ってんだな!?頼むじーさん、教えてくれよ!」
「何かワケがありそうだな・・・まあ、こんな所で立ち話もなんだ。話をするなら、俺のうちへ行こう。
そっちの兄ちゃんの手当ても、しねえとな。すぐそこだ、ついて来な」
アーレンは先に立って歩き出した。
.
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!