鋼の錬金術師
再臨5
〇月×日
今日から、レビス文明について調査していく。
長い旅になるだろうが、考古学史に残る偉大な発見ができるものと信じている。
△月△日
レビスの“秘儀”に興味があるという、旅の錬金術師と出会った。決意に満ちた、そして悲しい目をした男だ。
〇月□日
錬金術師のクロウリーと、共に旅をすることになった。
錬金術の知識のない俺には、クロウリーの話は、とても興味深い。
×月〇日
なぜ、レビスの秘儀に興味があるのか、やっと話してくれた。
時々、ヤツが悲しい目をする理由がわかった。
×月△日
ついに、レビスの秘儀の謎を解き明かした。
この発見は考古学のみならず、錬金術の分野でも偉大な発見となるだろう。
□月×日
幸せだ。
クロウリーも、俺も。
そして、彼女も。
〇月△日
それでいいのか?
それが本当に、お前が望んだ結末なのか?
目を覚ましてくれ、クロウリー。
「この日記、怪物には関係無さそうだな・・・」
ページを捲ると、日記の間からはらりと落ちたものがあった。
拾い上げると、破れたセピア色の写真だった。
「ずいぶん古い写真だな」
「写真の人が、この家の人なのかな」
「・・・その可能性は高いな」
若い男性が写っている。故意か偶然か、破れた写真には、もう一人いるようだ。
男性は、屈託ない笑顔を隣りに向けているから。
「この家、もう少し―――」
詳しく調べる必要がある
ホークアイは、そう言いかけた。
―――キシャアアアアアァァァァ・・・
パン―――ッ!!
「兄さん!!」
「裏か!?」
村に着いてから聞こえて来た3度目の咆哮は、思っていたよりもずっと近かった。
4人に緊張が走る。
「今の銃声はもしかして・・行くわよ!急いで!」
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