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鋼の錬金術師
再臨3


「この怪物たち、本当に人間に化けるのね・・」

足下に広がる形を無くした怪物たちに、ホークアイは呟いた。
エドワードたちの話を信じていなかったわけではない。が、今、目の前で起こった事も余りにも現実離れしていて、まだ信じきれずにいた。

「助かったよ、中尉」

「うん、危ないところだったね、兄さん」

ホークアイが危険を察知しなかったら、自分たちは兎も角、マリーゴールドは手傷を負っていたかもしれない。

「でも、あの人たちの正体が怪物だって、よくわかりましたねリザさん」

「なんとなく・・そんな気がしたの。“危ない”って」

「直感か・・そういや俺も、スカーと目が合った瞬間、ヤバイって思ったっけ」

「いやいや、兄さんの場合はケンカで染み付いた習性というか、野生の本能というか」

「野生ってなんだよ!」

「ウフフッ」

アルフォンスに噛みつくエドワードに、一頻り笑いが起こる。

「たぶん、軍人としての習性・・・長い時間をかけて、私の身体に染み付いたものね。護るために、必要な力なの」

「何を護るためにですか?」

「・・・大切な人よ。さ、行きましょう」




村の入り口から見て、東へのびる道を進んだ。
新たに銃声がしたのは、此方の方角だ。

しばらく歩くと、ポツンと一軒の家が建っていた。

「こんな村はずれに民家か?ずいぶんとボロっちいけど」

「でも、この家、どこも壊されていないわ。こんな場所にあるから、怪物にも見つからなかったのかしら?」

ホークアイは辺りを見渡す。
家の周りは鬱蒼と木が生い茂り、ここより奥に、村人が住んでいるようには見えない。

「もしかしたら、まだ中に人がいるかも」

マリーゴールドが古びた家を見上げて言うと、ホークアイは頷いた。

「そうね、入って調べてみましょう」

「ドアは・・・開いてるな」

観音開きのドアを押すと、すんなり開いた。





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