鋼の錬金術師 04 「しっかし、いったい何なんだ?アイツら。 いきなり襲って来きやがって」 訳が分からないと、エドワードはボヤいた。 「レト教の、信者の人たちだよね。 兄さんが、国家錬金術師だってことを、確認してから襲って来たけど…何で襲って来たのかな?」 アルフォンスは首を傾げる。 「国家錬金術師に、恨みでもあるのか?それとも、いきなり人にケンカ売るような教えなのかよ。レト教ってのは…」 忌々し気に言う兄を見て 『その割には、随分と嬉しそうに買っていたな』 と、弟は思った。 「いきなり襲って来た?そんなまさか!?」 2人の会話を聞いていたロゼは、驚きに目を見張る。 「それが『我らが神の御意志だ』だそーで。ひどい神様だな、おい」 「そんな筈ありません!コーネロ教主様が、そのようなことを許す筈が…!」 エドワードの説明にロゼは反論するが、2人は聞く耳を持たない。 「案外、その教主様の指示なのかもしれないな」 「あの人たちの口ぶりからすると、可能性はあるね」 兄の推察を、弟は肯定する。 教主を悪く言われ、ロゼの怒りは爆発した。 「バカなことばかり言わないで下さい!!コーネロ様は、無学な私たちに神の道を説いて下さった、尊い方です! レト教の法典に、暴力の文字はありません!」 2人は、ため息まじりに顔を見合わせた。 「そう言われても、俺たちレト教の信者じゃないし」 エドワードが向き直ると、ロゼは自分の思いつきに目を輝かす。 「でしたら、今からこの先の神殿で行われる集会に、あなた方もご参加なさっては? きっと、コーネロ様やレト教の素晴らしさが、わかりますよ」 エドワードは、探るようにロゼを見る 「……その集会に、コーネロ教主様は、来る?」 「もちろんです!」 ロゼが即答すると、エドワードとアルフォンスは、頷き合う。 「それならちょっと、見に行ってみるかな」 「はい、ぜひ!」 エドワードの言葉に、彼女は破顔する。 その後、思い出したように自己紹介した。 「私は、ロゼといいます」 「ボクはアルフォンス・エルリック。こっちはボクの兄さんでーー」 エドワードを指し示した。 「エドワード・エルリックだ」 「お2人とも、素敵なお名前ですね。さあ、どうぞ。神殿はこちらです」 ロゼは、先頭に立って歩き出した。 _ [*前へ][次へ#] |