鋼の錬金術師 偲び寄る魂3 「がぁああああ――!!」 「うわあっ!!」 女に蹴り上げられ、エドワードの身体が宙を舞った。 そのまま、背中から地面に叩きつけられる。 「ぐあっ!!」 「エド――!!」 「マリィ!ダメだ危ない!!」 エドワードに駆け寄るマリーゴールドの手を掴み損なったアルフォンスの目に、錬成陣の中心に走る女の姿が映る。 「まさか!?」 すぐに錬成陣の中から、黒い影が現れた。然も、今度は先程より数が多い。 「まずい、数が多い!!」 「エド!しっかり!」 「だ…大丈夫だ」 背中を強かに打ち付けた痛みに顔を歪めながら、上半身を起こす。すると―― 「兄さん!マリィ!伏せて!!」 「えっ?」 声に振り返ると、地面に両手をついたアルフォンスの姿があった。 地面に青い光が迸り、太い柱がせり上がってくる。それを掴むと、アルフォンスは立ち上がった。 「マリィ!」 「キャアッ!」 エドワードはマリーゴールドの背中に覆い被さった。それと同時に、アルフォンスは錬成した柱を振り回し始める。 ――おおおう ――ウウウッ ブンブンと風を切って廻る柱に薙ぎ倒され、怪物はドロドロと形を無くしていった。 女もダメージを受けたらしく、膝をついている。 「兄さん、今だ!」 「おう!」 エドワードは立ち上がった。 「あ――」 「こいつ借りるぜ!」 マリーゴールドが錬成したサーベルを掴むと、女に向かって走った。 「たああっ!」 タックルで女を追い詰めると、サーベルの炎が女の身体を焦がす。 「こいつっっ――!!」 鱗のような皮膚に、焼け焦げが見る見るうちに広がる。 「ヒイイイィィィ――ッ!!!!」 顔を押さえ、2人の攻撃から逃れて地面に転がった。 . [*前へ][次へ#] |